«前の日記(■2009-06-23-Tuesday) 最新 次の日記(■2009-06-25-Thursday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2009-06-24-Wednesday 7-11

コンビニの7−11に、

公正取引委員会から『販売期限が近づいた弁当などを値引き販売する、いわゆる「見切り販売」を制限したのは独占禁止法で禁じられている優越的地位の乱用に当たる』としてセブンーイレブン・ジャパンの本部に対して同法違反で排除命令を出したというニュースが流れた。

これまで、7−11では弁当やおにぎりや惣菜などには、消費期限よりも前に独自の販売期限を設定し、売れ残りの商品は廃棄処分をして、その損失は全額、店側の負担とする仕組みをとっていた。

マスコミ各社は概ね、フランチャイズ店側の言い分を良しとして放送しているようだが・・・。

たしかに、まだ食べられる食品を廃棄処分し、その損失を全額、店舗側に押し付けるのは大いに問題だ。7−11残酷物語として、フランチャイズ店主を生かさず殺さずに使うという「都市伝説」すら生まれたほどだから、7−11のやり方には酷いものが多いのだろうと推察する。

しかし、私は7−11本部の言っていることにも一理あると思うのである。それは、価格の維持という点でだ!

低下価格競争には良い点は何もない。一見すると消費者が一時的に喜んでいる様にも見えるが、そのしっぺ返しはやがて消費者にも襲い掛かるのだ。

ダイエーの中内功氏がかつて唱えた「流通革命」「価格破壊」は結局破綻したではないか!高度経済成長下で人口が右肩上がりに増えていた時代のビジネスモデルと、安定成長で人口減少社会になった今日とでは適合するビジネスモデルは異なるはずである。

商品には適正な価格というものが必要なのだ!限度を超えた低価格競争は自滅するだけだ。

その仕組みは、低価格にする為に製造過程の無駄やムラを無くす努力は素晴らしい!しかし、それ以上に低価格にする為に「人件費」を削減するのはパラドックスなのだ。コスト削減の為に人手を減らす→クビにする→購買者が減る(従業員も購買者の1人である)→売上が減る→更にコストを下げる為にもっとクビを切る→・→・→その行き着く先は・・・。不況しかないのだ。一時的にはコストをカットして会社が生き残ったとしても、社会全体が不況になれば、売れなくなるのは必定だ!なぜ、こんな当たり前のことが判らないのだろう?

行き過ぎたコストカットは人を不幸にするだけなのだ!

だから、7−11の本部が価格を維持しようとするのは正しいと思う。

そもそも、客はコンビニに安さを求めていない!コンビニエンスという名前が示す通りに便利さを追求したビジネスモデルであり、それがウケタからこんなに流行ったのだ。

そこに、もったいないからという理由で価格を割り引いて販売する行為が罷り通ってしまえば、コンビニというビジネスモデルを根底から否定することに繋がりかねない。

勘違いしないで貰いたいのは、私は「コンビニの商法が良い」とか、「弁当を捨てても良い」とか言って居る訳ではないということだ。私はコンビには嫌いだし、まだ食べられる食品を捨てても良い訳がない!

値引き販売とは違う方法を考え出さなければコンビニがおかしくなってしまうと危惧するからだ。そうなるとエコブームに乗って「もったいない」と騒いでいる加盟店側も結局損をすることになる。ここはしっかりとした対応をしなければ、自分たちが現在寄って立っているコンビニ商法を自分達で破壊することになってしまいかねない。それでは現フランチャイジーの店主にとっても良いはずがない。

誤解しないで貰いたいが、私は、競争社会が悪いと言っているのではない。適度な競争がなければ停滞するのは共産主義社会が破綻したことで判ったはずだ。しかし、何事も行き過ぎた競争は自滅するだけだ。切磋琢磨しながらも共存することが必要なのだと思う。

どうやら人間と言うものは限度をワキマエナイ動物なのかもしれないが、ある程度はエ〜加減な方が長く続くと思うのである。要は利益を1人占めしない発想を持つことではないだろうか?(23日記)