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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2009-10-01-Thursday 札幌五番館閉店

札幌駅前の老舗百貨店五番館が、

昨日9月30日をもって103年の歴史に幕を閉じた。特徴のある建物のビルだけに文化的にもモッタイナイと思う。

JR札幌駅に大丸百貨店が進出し、駅前の東急などと南3条近辺の三越や丸井今井などとの2極の競争になって、どちらが勝つのかなぁ〜と思っていた。

北海道経済では、札幌の1人勝ち状態だと感じていたし、駅前は大丸+JRタワーやステラプラザの好調が伝えられていた、そこに丸井今井の倒産騒ぎもあって駅前群の勝ちなのかなぁと思っていたら、事態はそんな単純なものではなさそうである。

北海道は530万人の人口の内、およそ半分が札幌近郊に住んでいる状態である。それだけの人口集中地域でもデパートという業態は営業が厳しいのだろう。ついこの間もススキノのロビンソン百貨店が閉店をしたばかりである。

私も貸しビル業を営んでいる身であるから、ここ最近のビルのメンテナンス料の高騰は応える。官僚は何か事件が起きる度に、検査の項目を増やしていくからだ。まったく必要のない検査、検査で経費が馬鹿にならないのだ。

この不景気でテナントは撤退傾向にあるし、家賃も下降傾向にある。それなのにメンテナンス経費が、以前の3倍も掛かるのであるから大変なのだ。

こんなことを続けていると、ビルを建てて貸そうなどという人間は居なくなってしまう。帯広の中心街でもせいぜい3階建て程度の建物ばかりが増えている。新しい高層ビルはホテルだけだ。

郊外にバラックに毛の生えた程度の安普請の平屋建て店舗を建てて、10年程度で償却するような、カテゴリーキラーの店舗が増えている。エレベータなどを付けないでメンテナンス費用を最小限に抑える戦略だろう。確かに商売的には経費の節減として正しい選択なのだろうが、何か味気ない。商売っていうものは効率や利益だけを追求するものなのだろうか?少なくとも昔は商業には文化があったように思う。その文化の象徴たる百貨店が消えていくのは寂しい限りだ。ノスタルジーだけでは商売は続けられないだろうが、効率化だけの商売もつまらないものだ。

やはり、商売は、モノを売り買いするだけではなく、楽しさを演出して、思い入れなどの感情を加えたりする工夫が必要だと思う。

経費を節減する部分と、一見すると無駄に思われるかもしれないが、客に何等かの感情移入をさせる部分には金を掛けるメリハリが必要なのだと思う。節約一辺倒のコストカットだけでは生き残れない時代が到来した。