去年、帰郷した息子が「就職して給料をもらえるようになったからお父さんとお母さんに食事をご馳走してあげる」と言って、六花亭本店の2階にあるレストラン「ホーム」でステーキを奢ってくれた話をしたら「まだ金額は少ないけれど給料をもらえる身分になったから、じゃぁ私も、・・・」と云うことになったのである。
「居酒屋程度の安い店でも良いんだよ」と言うと、「いや、弟には負けられない。同じレストランで・・・」と云う。
長女が末子に負けてはならじという意地なのかな?
いずれにせよ、子どもから、自分で稼いだお金で奢ってもらうというのは親としてはまことに嬉しいことである。
私は、そんな殊勝なことを親にしたことはなかった。
私の場合は、プロマジシャンになりたいと云う私の希望を父親の反対でダメにした。大学生の時には就職活動なんてものは一度もしたことがなかったから、結局、父親が経営する会社に入社するしかなかったし、親の自宅で親と一緒に生活をしていたので、給料をもらったとは云っても、何だか父親からおこずかいをもらっているような感じしかしなかったのだ。
だから、初めてもらった給料で親に食事を奢るなんて発想はまったく無かったのである。
我が家は娘も息子も3人とも、高校生の時から、地元帯広を離れて、親元からも離れた寮生活をしているから、大学の4年間だけ家から離れて、卒業したらまた自宅に戻ってきた私や妻とは「家」というものの感覚が異なるのかもしれないなぁ〜。
何にせよ、子どもが自分で稼いだお金で、親に食事をご馳走してくれるというのは、親にとっては感無量の嬉しい出来事である。
母と私達夫婦と3人でご相伴に与ったのであったが、いつもよりも美味しく感じたのは言うまでもない。
食後に母だけタクシーに乗せて自宅に帰し、3人でカラオケをすることになった。
いつもは妻と2人で採点で競っているが、今日は娘も交えて3人で点数を競うことにした。
カラオケ店ではいつもの部屋と違う部屋に通された。機械も違うし、採点方法も違うシステムであった。同じ店でも異なる機械を入れているのだなぁ〜。
いつもの採点方法では妻は90点以上がなかなか出ないのに、今日のシステムは点数が甘いようで、3人とも全曲に90点以上が出た。
唄が上手い家族なのか、それとも単に採点システムが甘いのか・・・。
何にせよ、高得点に気分を良くして帰宅したのであった。