札幌で80歳代の女性が、オレオレ詐欺で3000万円を騙し取られたという。
道警の発表によると、今月4日、女性宅に男から電話が入り、甥と思い込んだ女性は、電話の男の指示に従って、路上で3回に亘って現金3000万円を手渡したという。路上で手渡しでお金を受け取るという新手の手法だそうだ。詐欺師側もあの手、この手といろいろ考えるものである。
だが、私が驚いたのは、3000万円と云う金額と、甥という点であった。
この婆さん随分と金を持ってんなぁ〜、と云う驚きと、息子ならいざ知らず、普通、甥っこにこの金額を融通するかぁ〜という二重の驚きである。
すぐ近所では、別の70歳代の男性も900万円を同じく路上で手渡しで騙し取られたという。
これだけ、毎日の様に新聞やニュースでオレオレ詐欺のことを報道しているのに、それでも引っ掛かるのは、何故なんだろう。
詐欺師の手口がそれだけ巧妙ということなのだろうが・・・。
以前のニュースで「閉店セール」と云う商売方法を、どこかの大学生が調査したら、実際に閉店したのは、極々わずかな店だけで、閉店する閉店すると言いながら「閉店セール」をやっている店舗では、実際には閉店などすることはなく、ほとんどの店が「閉店セール」という看板だけを常態化しているのだという。これは「詐欺まがい」の商売であるという報道であった。
番組のスタッフが閉店セールをやっている店側にインタヴューしたら「改装の為の閉店セールで、廃業や閉鎖の閉店ではない」との開き直り方であった。
客側は、閉鎖や廃業の閉店セールなら、商品を全て処分する為に、破格の安値にするであろうとの思い込みがあるから、安いと錯覚して、ついつい不要なモノまで買ってしまうという人間心理を利用した悪徳商法であろう。
似た様な「閉店商法」というのは世界中どこにでもあるものだが、こんな例もあった。
飲食店で「店主が病弱の為に引退、廃業する」と新聞に記事で取りあげてもらう。記事を見た客は「もうこれでこの店で飲むのも終わりかぁ〜」との感慨を思ったら、たとえ最近は足が遠のいていた客であっても、挨拶代わりに最後に店に顔を出すかなぁ〜となって、閉店を謳った日までは、連日、連夜、満員御礼状態になり、いつもよりも儲かる仕組みである。
店は実際に閉店をした。閉店商法でいつもの営業よりも余分に儲かった金で、まずは旅行や温泉に行ってくる。
しばらくしてから「やっぱり、商売は生き甲斐だから・・・」とか何とか宣言をして、新たに店をオープンする。今度は、開店祝いでまた稼ぐという商売だ。
果たして、この恥を知らない商人を賢いというのか、それとも騙される客が悪いのだろうか。
商売とは信用であったはずなのだが・・・。