HBCで「マジック世界一決定戦キングオブマジック!!」と云う生放送のマジック番組が放映された。
マジックで生放送と云うのも大変珍しいので、題名にツラレテ最初から最後までシッカリと2時間半の全部を見たが・・・。
結論から言うと、結果がひど過ぎる。
テレビ局として、TBSのカメラマンはマジック番組を撮ってはいけないレベルの腕前であった。
肝腎のマジックの現象をしっかり追えないなんて・・・。
やっぱり、マジック番組は数台のカメラで撮影して、良いアングルの場面を編集しなければ良い番組にはならない。
「生放送」でマジック番組を作れないかというマジックの素人のディレクターの発想であろう。
しかし、いくら生放送とは言ったってリハーサルくらいやったであろうに・・・。
優勝者もふじいあきらとは驚いた!これぞまさしくマジックそのものであった。何せ一番驚いていたのが当の本人なのだから・・・。
観客とマジックの素人の芸能人が特別審査員であるのは、素人受けするマジックを選びたいというテレビ局側の趣旨なのだろうから、それはそれでも良いのだが・・・。
同点で準優勝に終わった台湾のマジシャン、ホウレット・ウーは可哀想であった。
同じテーブルを使ったカードマジックであったが、ウーは観客席との距離が離れた場所での一人だけの演技であったし、一方のふじいあきらは特別審査員をテーブルの前まで呼んでのカラミの演技であった。
マジックは目の前で見て参加させた方が、印象が強烈になる。
だから、観客のポイントではウーの方が高かったが、ふじいは目の前に呼び寄せた特別審査員の得点が軒並み高くて同点になり、同点決勝はその特別審査員だけの得票で決められ、7人の特別審査員の内4票を獲得してふじいが勝った。
ふじいあきらがカードマジックの技術に関しては、素晴らしいテクニックの持ち主であることは素直に認めるが・・・。
しかし、旧来からあるマジックを上手に演じることと、まったく新しいマジックを創造することは、まるで次元が異なる。
ホウレット・ウーのジャンボカードを使ったカードマジックはまったく新しい技法を生み出しているし、現象もこれまでのカードマジックとはまったく異なるもので素晴らしかった。
ウーが台湾人じゃなくて、白人のカッコイイ外人だったら、結果はどうだったろう。
まぁ、見た目ではどっちもどっちか・・・。
初めて見たマジシャンもいたから、楽しかったが、マジック番組としてはあまり良いとは言えない内容であった。残念!