師匠夫人のまこママとディレクターは前日に東京から帯広入りしている。
札幌からは、プロマジシャンのスペンサー・トリックスも応援に駆け付けてくれた。
当日いきなりの撮影では、戸惑うことも多いだろうと、前日に、4時間ほどの打ち合わせを行った。
撮影にはこうした段取りが重要なのである。
私は朝8時半から、まこママは9時に合流して準備を始めた。カメラマンが札幌から車で帯広に10:30頃には入ると言っていたが、予定よりもかなり早く到着したので、その分、撮影も早めに始めることにした。
映画やテレビの撮影というのは、必ずしも順番通りに撮影をしていくわけではない。撮り易いモノや場所から撮影して、後で編集をして繋げ直しをするのであるが、「開運!なんでも鑑定団」の出演者は、いわゆる素人の一般人であるから、そういう撮影の仕方をすると混乱してしまう人がいるので、いつもは順番通りに撮影をしていくのだが、とディレクター。
しかし、今回は、まこママもスペンサーも私も、皆、撮影経験が多いから、ディレクターの撮り易い形で良いですよということになった。
撮影は順調に進んだが・・・。
去年寄贈を受けて届いたイリュージョンの大道具の名から、ひとつ実演をやって欲しいというディレクターからの注文である。
テレビの見た目上も、まこママがかつて道具の中に入ったことがある「ジグザグ」という道具が良かろうということになった。
早速、練習をしてみたのだが、まこママが太り過ぎで中に入るのは無理だと言う。急遽、中学生の姪っ子に連絡して手伝ってもらうことにしたが、彼女はマジック未経験である。
本来なら、十分に練習を積んでからなのだが・・・。
中学校が終わってからだからミュージアムへの到着は15時過ぎになる。30分ほどの練習をしてから本番に臨むが・・・。まぁ、なんとかかんとかマジックにはなっただろう。
取材は結局19時まで続いたのであった。
昼食も取らずに10時間連続の撮影はさすがに疲れたが、細かいところまでジックリと撮ってくれたので、きっと良い番組になるであろう。
後は、私が東京のスタジオに、数十点のマジックグッズを持って行って、石坂浩二と対談しながらの撮影が残っている。
今回撮影したものと、これから東京のスタジオで撮影するものを合体させて一本の番組になる。
放送日は3月23日(木)21時〜の予定であるが、まだハッキリとは決まっていないと言う。
果たしてどんな番組になるのやら、期待大である。