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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2020-05-17-Sunday 沈思黙考

コロナウィルス禍で自宅に籠りっきりであるから、

とにかく暇である。テレビもコロナの話題か、再放送ばかりでツマラナイからほとんど見ない。

読書は大好きだか、ここ最近は読み疲れてきた。右膝を痛めて運動も出来ないし・・・。

この5月は、2日が父の亡くなってから28年目の祥月命日、昨日16日は35回目の結婚記念日であった。62年間の人生での父の死去と結婚と云う大きな出来事を振り返って見ると、ともに四半世紀以上が過ぎて大きな節目にあることを実感した。

父が亡くなった平成4(1992)年4月は、バブルがはじけて経済も大きな転換点にあった。父が始めた寄り合い百貨店の「サニーデパート」もテナントの引き抜きに合って、ガラガラ、スカスカの状態になり、テナントからの家賃収入もほとんどない状態であった。

社長であった父の死亡により34歳の若さで社長に就任し、物販中心から飲食中心のビルに大転換をした。地階は「つぼ八」1階は「いろはにほへと」2階は「白木屋」三階は「魚民」とワンフロアずつ大きな居酒屋が4軒入居する飲食店ビルに変身させた。若さのエネルギーの高さが功を奏したのであろう。異なる会社の居酒屋を入居させてリスクヘッジも出来ていると自負していたのだが・・・。

時代の流れは、居酒屋の倒産、廃業、吸収合併、縮小などが起こり、入居テナントはいつの間にやら一社に統合されてしまったのであった。

それでも28年間、何とか会社を維持することが出来ていた。

還暦過ぎて、そろそろ引退を考え始めたというのに、今回の新型コロナウィルス禍が起こった。

これまでの「マス」を相手の商売が難しい世の中になった。これまでは「人を1ヵ所に集中させることで効率化を図り、薄利多売で利益を積み上げていくスタイル」のビジネスモデルであったわけだ。

しかし、「人が集まってはイケナイ!」「集めてはイケナイ!」「ソーシャル・ディスタンスを保て!」と云うのであるから、薄利の「マス」相手では、ほとんどの商売が成り立たない。他人の唾やくしゃみが届かない2mの距離を開けろと云う「ソーシャル・ディスタンス」は厄介な代物である。

近年、集団よりも「個」が重視され始めてはいたが、それでも、劇場、競技場などでは大多数を集合させることで商売が成り立っていたのである。隣席との距離を取ると云うことは収容人数は半分以下に減ることを意味する。

客単価を上げなければ、かつての収益は上げられない。利益率を高くして小人数を相手にする商売にしなければ成立しないのである。

肩触れ合う距離にいる他人を仲間とみなす本能が人間には備わっている。だから劇場や競技場では「臨場感」や「連帯感」が生まれるのである。「ソーシャル・ディスタンス」を取れば、70㎝以上離れた隣人は「敵」であると本能がみなしてしまうのだから、周りは敵だらけで「場」がまったく盛り上がらなくなってしまう。そうなったらスポーツやエンターテインメント界は興行そのものが成り立たなくなってしまうであろう。

先週末から「緊急事態宣言」の緩和が少しずつ始まったが、東京・大阪の2大都市はまだ解除されていない。北海道も続いている。

過去のウィルス感染症と人間との戦いをみても、最後は「集団免疫の獲得」で終息している。感染者数が増えても重篤者数や死亡者数が増えなければ、その方が終息が早くなると云うことだろう。

軽い症状の人が増えて、免疫を獲得した人が増えれば流行はストップするのだ。確かに志村けんや岡江久美子などの有名人が死んだことでのショックは大きかったが、メディアは少し恐怖心を煽り過ぎてやしないだろうか?心理的トラウマってのはなかなか消せないものなのだがなぁ〜。

自宅待機の反動で、多くの人たちがすぐに大挙して外出するかと云うと、メディアが煽った恐怖心のトラウマが影響して、そう多くはすぐには外出はしないであろう。たとえワクチンが完成したとしても、深く刷り込まれたトラウマはかなりしつこく「密」を嫌うであろう。

世界中で企業活動を自粛しているから、世界の空気がキレイになったとのニュースもある。

新型コロナウィルス禍を契機にして、地球環境問題の是正に向かうのか、それとも、反動で経済復興を急ぐあまりに、逆に破壊に向かうのか、果たして針はどちらに振れるのであろうか?

どちらにしても、2020年と云う年は、世界史に残る変革の年になるであろう。

いずれにしろ、この変革の波に乗り遅れないようにアンテナを張りながら考えを纏めよう。