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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-03-12-Wednesday 道新、朝の食卓10

北海道新聞2003年11月20日掲載「場所の力」

十月末に屋久島を訪ねた。着いた途端、表現できない心地よさを感じた。島全体が良い気で満たされているようだった。

二日間別々の民宿に泊まり、高級リゾートホテルも二軒見学させてもらった。ホテルの建物はとても立派。でも屋久島に存在する必然性がないように感じた。

初日の民宿は、すべて自分の田畑で有機農法で育てた食材を用いた健康料理だったし、二日目の民宿は、江戸時代の古建築をオーナー自らが解体移築した建物で、味わいがあった。

両方の民宿とも、部屋にテレビはない。必要がないからだ。その代わり、楽しい出会いがあり、語らいがあふれている。

夜十時に波打ち際の露天風呂に入った。人工の光がほとんど無く、新月だったから満天の星。数が多すぎて星座が分からないほどだ。一時間ほどボーと星空を眺めていたが、飽きることがなかった。流れ星を八個見つけてうれしくなり。悠久の時の流れに浸りきっていたのだ。

ガイドさんが山中で清水をくみ、コーヒーを入れてくれた。「もののけ姫」のモデルになった場所で、ひきたてのコーヒー。格別のもてなしである。

立派な施設や過剰な接待は不要なのだ。その場所が持っている力を認識し、うまく使えば十分満足できる。それを屋久島で再確認した。