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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-03-13-Thursday 道新、朝の食卓11

北海道新聞2003年12月25日掲載「神の島」

最近、南の島と縁が深い。ここ一ヶ月の間に三回、沖縄方面を訪ねる機会があった。

沖縄本島南部の知念村では斎場御嶽(せいふぁうたき)という聖なる場所に案内された。二つの巨石が寄り添う三角形のトンネルを抜け、遥拝所といわれる場所から、「神の島」と呼ばれる久高島を拝んだ。

昔は男子禁制の聖地だったとのこと。トンネルの前だけ風が吹き抜けて行く。島は遥拝所の東側にあり、そこから太陽が昇って来るため、「国始め」の伝説がある。

久高島で生活している人もいるが、家を建てる時に住宅ローンが組めないのだとガイドが笑って説明してくれた。土地は島独特の共同体的な所有制度を維持し、個人の所有権が存在しないから、金融機関は担保が取れないのだそうだ。この島は神様のものであり、土地は人間が使わせていただいているだけで、所有してはいけない−。そんな考えが今も息づいているのだろう。日本にこんな場所があるとは驚きである。

何でもコレクションする癖があり、所有欲の塊のような自分がなんだか恥ずかしい。

この次に沖縄を訪れる時は、ぜひとも久高島に渡ってみたい。人間の所有欲が経済を動かしているのだとすると、この島はそれからも外れた場所であり、まさしく聖地なのだから。