「腹減ったぁ〜」よく口にする言葉だが、すぐに何かを食べられることが分かった上での甘えのセリフである。しかし先ごろ、生まれて初めて切実な空腹を感じた。豆乳とサプリメントだけで五日間を過ごす「プチ断食」に臨んだからだ。
今年は三月末まで一日も酒を抜く機会が無く、さすがに胃腸の調子が悪くなり、何を食べてもまずく感じるようになってしまった。そんな症状が出た時に一ヶ月間「断酒」したことはあるが、「断食」は初めての経験だ。胃腸の調子を整えるついでにダイエットも兼ねようという魂胆なのである。
初日と二日目の昼までは空腹感でとてもつらかったが、二日目の夜からはさほど苦に感じなくなった。もともと小食だったことに加えて、きっと下腹の脂肪の塊がラクダのコブと同じ役割をして、緊急時の栄養補給をし始めたのだろう・・・。
結局体重は三キロ減ったが、下腹の脂肪は無くならなかった。二十年間貯め込んだものをたった五日間で無くせるはずもないか。
しかし、断食による空腹感は「飽食の時代」にあって貴重な体験になった。皆さんも一度、飢餓の一歩手前を実感してみてはいかが。そして、あらためて今後の「食」について考えることをお勧めする。