マジックが趣味で、かれこれ三十四年も続けている。
とても飽きっぽい性格なのにマジックだけは、いまだに飽きない。
学生時分には、プロマジシャンの「ジミー忍」師宅に毎日押し掛け、当時は珍しかったビデオを見ながら研究をしたものだ。将来はプロマジシャンになりたいと真剣に考えていた。
が、しかし、昨年帯広でマジックショーを催した時に、旧知のマジシャンから「あなたは今の職業について正解だったね」と言われた。どういう意味だろう?
私には何でも収集する癖があって、江戸時代から現代までの手品関係の本を集めている。しかも、師の遺言で「忍コレクション」が私のところに来たために、わが家では部屋一つがマジックの本で埋め尽くされている。いまだに整理できてないので、いったい何冊あるのか見当もつかない。
帯広市の図書館が新築されるのに合わせて寄贈しようとも考えたが、素人が見ても分かる類の本ではないし、たぶん、寄贈された方も困るだけだろう。
世のコレクションの多くは集めている人にとっては宝物だが、興味のない人にとってはただのゴミかもしれない。妻も「あなたが死んだら全部捨てるわよ!」と言っている。
どうやら私の方が先に逝く予定らしい?