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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-04-18-Friday 便利と不便

数は力なり!とは良く使う言葉だが

全国各地の色々な場所を訪れていると、「人口は力なり」と感じることがある。人口が多くないと、学校・病院・商売などは成立しない。

先日、北海道の人口が560万人を切ったというニュースが報道された。北海道では働き口がないから本州方面に流出しているのが原因であると解説されていた。それでも札幌だけは増えている。北海道唯一の大都会、札幌市に一極集中しているということだろう。

去年の北海道庁のとある会合で、札幌への一極集中の件を発言したら、同じ委員の大学教授が「札幌への一極集中、一極集中と言うが、市民一人当たりに換算したら、市民ホール、運動施設などは地方都市の方がよっぽど充実している」と発言した。初めは逆説的な面白い発言だと思ったのだが、どうやら本気でそう思っているらしいことが判ってきた。確かに数字の上ではそうなるのかもしれない。数字は扱い方によってはマジックになる。

日本全国が「ミニ東京化」を目指していた時期には、各地にホールやら体育館やらがやたらと建設された。均衡ある発展という名目で。人口が右肩上がりの時代ならば先行投資という考え方もあっただろう。隣町には負けるなという首長さんも多かっただろう。

しかし、世は人口減少の時代なのである。ベクトルの向きが180度逆転したのである。これまでと同じ考え方で良いはずはない。

全国各地に建設された公民館はたいして使われもせずに、維持費ばかりが嵩んでいく。コンサートをやる会場はあっても、客が少なくてはペイしないから、ギャラの高い売れてる芸人は来ないという悪循環に陥いり、皆が欲しがった施設がマチのお荷物化していくのである。

大都会は便利である。ある面では。

私の大好きな、ショーや演劇が毎日開催されている。買い物も選択肢がたくさんあるから好きな物を選べる。美味しいレストランもたくさんある。これらは正に大都会ならではの便利さである。

しかし、大都会は不便である。ある面では。

生活費が高かったり、通勤に往復2時間も掛けたり、満員電車に押し込められたり、並ばなければ店に入れなかったりと、田舎生活に比べて落ち着きがない。

モノには全て二面性がある。便利であれば不便でもあるのだ。どちらも完璧に満たすものなど存在しないと思う。

どちらの快適性を重視するかだと思う。万人向けに全ての人に良い様にというのは今後難しくなるだろう。そうなると嗜好の偏ったマチがいくつも出来て、自分に合った嗜好のマチに暮らすという事態になりかねない。なんだかSF小説の未来都市のような感じだ、一見すると暮らしやすそうに見えるかもしれないが、そうなると村八分みたいなことも起きてくるだろう。

やはり人間は多様性があるから面白いのだと思う。人間生活にはある程度の我慢と許容力が必要なのだと思う。