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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-07-17-Thursday まちづくり(6)

2001年4月21日(土)十勝毎日新聞掲載『屋台ブームと法律の規制 〜「常に移動」義務付ける 固定客つきにくい現行制度』

今、日本ではネオ屋台ブームだそうである。テレビでは台湾や韓国などアジアの屋台の特集番組が連日放映されているし、「日本の屋台巡り」なる番組まで登場するにいたった。その番組制作にあたっては「北の屋台」にも取材があり、屋台研究家(他に研究している人が見当たらなかった様で、研究家とは赤面ものだが)としてアドバイスが欲しいというちょっと変わった依頼があった。雑誌でも屋台を「ストリートフード」として注目し特集を組んでいる。デフレ不況を反映してか東京や大阪では気軽に営業することができるということで屋台が増えているのだ。しかし、ここで紹介されていた屋台はほとんど全てが何等かの形で違法行為をおこない、勝手に営業している屋台であるといえる。

番組中では唯一合法的な福岡(博多)の屋台も、既得権として現営業者一代限りの営業権しか認められてはおらず、新規参入ができない世界であり、屋台は商売としては「トキ」のような絶滅種の業態といえるのである。

東京や大阪の屋台の業者は保健所の許可を取っていると言っていたが、営業者側のかなり強引な拡大解釈であろう。保健所の規制には地域によって若干の違いがあり、東京都の保健所では曳き車(リヤカー)や自動車改造型の屋台は条件が整えば認可される。しかし、取り扱い品目は限られた中からの一品目だけであったり、生ものはダメとか、食器は使い捨てとかその他色々と規制が多い、そして何より一番の問題は常に移動し続けていなければならないことである。立ち止まって商売してはいけないのである。客に呼び止められて注文を受け、調理している間は物理的に移動は不可能なのでその間だけお目こぼししてもらっていることになっているのだ。一ヶ所に長時間留まって営業することは保健所も認めていないし、ましてや、日本国中すべての警察署は歩道、車道を問わず公道上での商行為は公益性のない限り一切認めてはいないのだ。

では、営業場所が警察の管轄外の民有地であった場合はどうであろうか、その場合は保健所はイベントとして3,4日程度の露店としての許可を出しているだけだ。継続的な営業には上下水道、トイレ等を完備した飲食店としての許可が必要なのである。スーパーマーケットなどの駐車場で営業しているタコ焼きなどの自動車改造型の屋台も同一の場所では続けて営業できないから5、6ヶ所のスーパーと契約して3,4日単位で移動しなくてはならないはずである。常に繁華な場所に移動できるというのはメリットだが、客にとってみればいつどこにその屋台があるのか分からないわけだから、固定客は付きにくいのである。