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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-08-12-Tuesday 生命保険

昨日、生命保険会社から文書が郵送されてきた。

開封してみると、長女にかけていた「愛児成長保険」の満期保険金請求手続きの案内文であった。保存していた証書を引っ張り出して内容を調べてみると22歳満期で保障額100万円の30%が満期金として戻ってくると書いてある。手続書のお支払い金額欄を見ると満期金が25万5千円となっているので、30%なら30万円だから単純な計算間違いをしているなと思い早速お問合せ先と書いてあるカスタマーサービスセンターに電話してみたのである。

すると、「お客様は東邦生命でこの保険をかけていらっしゃいましたね。東邦生命が破綻しましたのでこの保険は保障額が減額されて当社が引き継いでおります。」と言うのである。

そう言われて思い出した。東邦生命は破綻したのであった。

我が家は祖父の代に東邦生命の前身である「徴兵保険会社」の代理店をやっていた。父の代になってからも代理店を続け、父は十勝の代理店会の会長を務めていたから、我が家の生命保険は東邦生命オンリーであったのだ。

96年に、地元の帯広信用金庫が提携をして熱心に勧める生保会社があったので東邦生命一社だけというのもなんだからと、その信金が勧める生保会社にも加入することにしたのである。

帯広信金が勧める生保会社というのは、当時同じく父が代理店会の会長を務めていた「日産火災海上保険」という損保会社の兄弟会社である「日産生命」であったので、勧められるままに日産生命にも加入したのであった。

すると、1年も経たない97年に、日産生命が突然破綻してしまったのであった。

戦後初の生保会社の破綻である。生保会社が倒産することもあるのかと驚いたが加入したのは一本だけだったし、払った金額も小額だったのでこの時はまだ諦めもついたのだった。

翌98年になって東邦生命が危ないゾという噂がチラホラ出てきたが、まさか代理店が真っ先に契約を止める訳には行かない。結局99年に東邦生命が破綻してしまった。

加入していた保険はパーになったものもあったし、かなり減額されてAIGエジソン生命に引き継がれたものもあったが、この時は怒りが収まらなかった。

銀行などの金融機関がアブナイゾと言う噂を入手すれば、すぐに解約して他の銀行に移すこともできるが、生命保険というのは途中で解約することはそれまでの保険を捨てる事に等しいから事実上不可能に近い。そう簡単には他の生保会社に乗り換えることは出来ないのだ。国民の中には健康上の問題で新たに加入し直すことが出来ない人も大勢いる。それなのに、当時の政府は銀行は助けて生保は潰したのである。一般国民のことなどまるで考慮に入れていない非情な行為である。

当時はムチャクチャに腹が立って、以後、生命保険には絶対に加入するもんかと思ったものだ。

それにしても、今回の案内文は不備であるし、不親切である。この辺の事情がまるで書いていない。少なくとも貴方がこれまでに払った保険金は○○円で、途中に会社が変わって保障額が△△円に減額されました。生存祝い金はいついついくら支払ったので、満期保険金は○○円になります。と報告するのが筋ってもんではないのか?

ただ、何の説明書きもない書類を送ってきて判子をついて送り返せというのははなはだ失礼である。たぶん詳細を客には報告したくないのだろうが、昨今は生保会社による保険金の不払い問題が新聞を賑わせているのだから、もう少しお客の立場に立って説明する態度が必要なのではないのか?

金が戻って来るというのに、なんだか改めて腹立たしくなってしまった。