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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-01-30-Saturday 勉強会

北海道の歴史の勉強会が

坂本ビルであったので参加した。

「クナシリ・メナシ・アイヌの戦いとトカチ」という題名である。クナシリは北方領土の国後島のことで、メナシというのは現在の根室地域一帯のことを指す。江戸時代の1789年に虐げられていた、この地域のアイヌ達が蜂起して和人71名を殺した事件である。すぐに松前藩の役人が現在の函館近くの松前から海岸沿いに日高、十勝、釧路を通って根室に到着し、蜂起した37名のアイヌを処刑して、また松前に戻る間の松前藩の責任者の日記を基にして、紐解く勉強会である。

江戸時代には、十勝地方は歴史にほとんど登場することがないから、十勝が登場する貴重な文献だということだ。

講師の先生は札幌大学の川上淳教授である。この方は帯広の隣町音更町のご出身で帯広三条高校から駒澤大学に進んだということで、私とは大学の同窓生でもあるので聴講しようと思ったのである。

講義には、地元の歴史研究家が多数参加して、一種独特の雰囲気があった。アイヌの方も来ていて、質疑応答のなかで「我々のご先祖さまの・・・」などと言い出すものだから、こりゃ〜まずい展開になるかのかなぁと心配したが、おかしな方向には向かわずに収まった。

北海道人にとっての、アイヌの人たちに対する気持ちというのは、アメリカにおけるインディアンやオーストラリアにおけるアボリジニと似たところがあって、とても扱いが難しい。特にこの種の歴史の勉強会では、まかり間違うと変な方向に議論が向いてしまうことがあるのだ。

しかし、何でもかんでも、加害者対被害者という図式から脱却しなければ真の歴史は理解することができないと思う。

何故、このような事件が起きたのか、資料が乏しくてなかなか判らないようだが、タブーを作って触れない様にするのは、もっといけないのではないだろうか?

講演終了後に、下の居酒屋で川上教授を囲んでお酒を飲んだが、講演はただ聞いて解散するよりも、その後の、懇親会の方が面白い話が聞けるものなのだ。

久し振りに面白い勉強会になった。