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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-01-31-Sunday 古本屋

妻が氷まつりの

商工会議所婦人部の手伝いで出掛けているので、今日の日曜日も私一人である。

妻を氷まつり会場まで車で送った帰りに、今日は古書が20%OFFだというから、BOOKOFFに行ってみた。

古書店といっても漫画の本ばかりが多くて、私が探しているマジック関係の本は極めて少ない。それでも暇潰しには、古書を探す作業はとても楽しいものなのだ。

大学生時代には毎週の様に東京中の古書店巡りをしていたものだ。30年以上前には、大学の側には古書店がかなり並んでいたものだった。その古書店に入って本棚を上の左端から右端までサッと順番に流しただけで「手」「奇」「術」「魔」「品」等の文字が目に入るとそこで目がピタッと止まるようにまでなったのである。人間の習錬というのはすごいものである。

そうして集めた本や、マジックの師匠である故ジミー忍師のコレクションが(マジック博物館を作りたいとの)遺言で私のところに来て、5000冊にもなった。

北の屋台を卒業した2007年4月からは、インターネット・オークションなどで購入した本が約1500冊だから合計6500冊ほどの蔵書になったのだ。我ながらアホだと思うが・・・。

最近の若手マジシャンは師匠を持たない人が多いそうだ。ほとんど皆、インターネットやDVDでマジックを覚えるのだそうだ。もはや、本で

覚えようという人間はごく少数になった。

マジックの一般向け専門雑誌で1989年9月30日から20年間に亘って、これまで80号まで出版していた東京堂出版の「The Magic」という本が2009年6月25日で休刊になってしまった。

マジックの愛好者は公称100万人と言われているが、季刊誌でさえ維持出来ないほど、本を買う愛好家が減ったということだろう。

マジックはタネを知ったからといって、それで演技が出来る訳ではない。だから、師匠に付いて習うということはタネ以外のことを習うことでもある。タネ以外にも色々な要素が加わって初めて芸能たりえるのに、どうも最近の傾向は、タネのみ知ろうという素人が増えているようで嘆かわしい限りである。

これはどうやら、マジックの世界に限った話ではなさそうだ。芸の奥深さが失われていくようでとても気がかりな現象である。

私は古本屋巡りをする方が、新刊書を売る本屋を見るよりも好きである。店主の趣味好みが判るから、話をしても面白いのだ。帯広からも昔ながらの古書店が消えてしまった。ますますつまらない世の中になりそうな気がする。