9日の18時40分(現地時間)にユタ州の高速道路で、日本人ツアー客14人と運転手1人が乗ったバスが中央分離帯に接触して横転し、3人が死亡、12人が怪我をしたという記事が新聞に載っていた。
運転手はアメリカの大学に通う26歳の日本人の学生で本人は軽傷とのこと。
現場は直線道路で当日は道路も乾燥しており、ブレーキ痕もないことから「居眠り運転」か「脇見運転」の可能性が高いとのことだ。
私も何度か、アメリカで運転したことがあるが、アメリカの道路は比較的運転がし易い。道路幅が広いし、直線道路が多いからだ。
だが、巷間言われる様に、直線道路は単調で「居眠り運転」を誘発し易いという欠点があるという。
それでも、私が運転した時は、私の脳みそは時差ボケでさぞや眠たかっただろうに家族や知人を乗せている緊張感と見知らぬ道路を運転している緊張感が重なって、眠気など微塵も感じずに1日で600㎞も運転したものだ。妻や子供達は車の中でグッスリ眠っていて、現場に着いたら起きてくるが・・・。
それにしても、ニュースを見ると、大手旅行会社の「日本旅行(8)」「近畿日本ツーリスト(2)」「IHS(4)」の3社で14人の旅行客を、孫請けの現地ツアー会社に任せて案内させている実態を見て愕然とした。
26歳の日本人学生が運転手というのでは、非常に心もとない。詳細はまだ判明していないが、この学生は夏休みのバイトだったのではないのか?
第一、ガイドなんてできるのだろうか?
おそらく、海外旅行の実態なんてこんな程度のものなのだろう。事故が起こらずに無事に戻って来られる方が圧倒的に多いのだろうが、実はヒヤヒヤものだったということがあるのではないだろうか。
旅行費用を安くする為に素人同然の人間に運転手やガイドを任せるのだとしたら問題だ。
参加する方だって、そんな危険があるから料金が安いとは思ってもいないだろうし、業者も「安い分危険だ」なんて事は事前に告知はしないだろうから。
今回も運転手が軽傷で済んだのは本人が事故を起こす直前に身構えているからだ。客は安心して眠っていただろうから事故に備える暇がなかったことだろう。
巻き込まれ型の事故ならベテランの業者でも防ぎ様がないかもしれないが、自損事故はいただけない。
日本でも、運転手の給料を安く抑えて酷使するから、運転手の疲労が溜まって事故を起こすということが、これから増えるだろう。
デフレ経済は生命の危険を承知の上で安さを認めているのではない。
客の生命の安全は、値段が安かろうが高かろうが、価値に変わりはない。