「野田新内閣誕生のことについてコメントがありませんね。」というメールをいただいた。
確か、トロント旅行の感想の中に、行く前は前原氏がなるのかと思っていたが、帰国した時に見たニュースでは野田新内閣誕生となっていたので一体この旅行間に何があったのだろうか?と考えていた事は書いた。それ以降は野田新内閣については書く気が起こらなくてこれまで筆を取ることはなかった。それよりも旅行の感想を忘れない内に書いておこうと考えたからでもあるが・・・。
旅行の感想も一段落ついたことだし、そろそろかなと思うのだが、コメントがまったく浮かんでこない。
カナダで、国会の現役の党首が61歳の若さで癌で亡くなったニュースとトロントでの葬儀の模様を直に見るにつけ、なんだが彼の国の政治家と日本の国の政治家の国民からの敬愛の度合いの差を見せつけられたような感じがしてしまい。それがどこかで影響しているのかとも考えたが、よくは分からない。
野党の党首だから、日本に置き換えたら自民党の谷垣氏に相当するのだろうが、もし谷垣氏が亡くなったら、国民はこんなに悲しむだろうか?と考えたのである。
カナダは国土は世界で2番目に広いが、人口は3300万人程度の少ない国である。だから極めて人口密度が低いということだが、その少ない中で、政治家は少なくとも国民から信頼されているように感じたのだ。
消費税は13%とかなり高いし、物価も高い。本来ならとても住みにくい国だろうと思うのだが、国民は皆ノンビリと豊かに暮らしているように感じた。恐らく、医療体制や社会保障がしっかりしているから将来に対しての不安が少ないからではなかろうかと考えた。
逆に日本は、年金も医療費も先が見えない。将来に対して、国が個人を救えないと感じて、自分の身は自分で守ろうと、せっせと老後の為に貯蓄をしようとしている。
マスコミも日本の良さは報道しないで、悪口ばかり書いたり言ったりしているから、国民は日本に対しての誇りを持てないでいるのではないだろうか?
日本は良い国だと、海外旅行に出てみると実感する。第一に食べ物が抜群に美味しい国だ。四季もメリハリがあって環境的にも素晴らしい国だ。卑下することは何もないように感じる。
ただ、確かに政治家の質がかなり低劣ではないかとも感じる。
国民の所有する資産額が世界一なのに、何故だか未来に対しての不安からか、お金を使わないで貯め込む。その貯め込んだ資産は、バカな議員や官僚に無駄使いされてドブに捨てているような感じだ。
お金は貯めても世間は潤わない。お金は天下の回りものなのだから、回って始めて国が活気をもつのだ。だから政治家の責任は、国民の将来に対する不安を解消してあげることだ。そうすればお金が回る様になる。ごくごく単純な話なのに、バラマキ政策などの小手先に終始するから、未来の不安は増幅こそすれ解消される気配が全く無い。未来に不安があるから、子どもには苦労させたくないと少子化に拍車をかける結果になるのだ。少子化の根本原因は、未来への不安である。
お金をばらまくよりも、未来の制度をしっかりと不安のないものにしてあげることだ。
野田新内閣にそれができるだろうか?
東日本大震災の復興で、国の金はますます足りない。このままでは、国の制度はますます悪化するだろう。そこに財務省主導で消費税を上げたら、国民の財布の紐はますます狭まってしまうだろう。
景気を良くするには、未来の不安を解消して国民に貯め込んだ資産を気持ちよく使ってもらうことだが、あまり期待はできないだろうと思っている。