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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-10-07-Friday スプーン曲げ

5日のかちまいアカデミーの

マジック教室で、この10〜12月(毎月第一・第三水曜日)の計6回の講座から「超能力マジック、スプーン(フォーク)曲げマジック」というのを教え始めた。

スプーン曲げにはこれまで何回かのブームが起きているが、何と言っても1974(昭和49)年にユリ・ゲラーが来日して出演した日本テレビの木曜スペシャルに強烈な印象がある。

この時私は高校1年生であった。小学6年生の時からマジックをやっていたから、ユリ・ゲラーのスプーン曲げはちゃちなマジックだと思っていた。

ユリ・ゲラーのずるいところは、こんな単純なトリックを超能力だといったことにある。

第一、例え、超能力(念力)であったとしても、あれだけの時間を掛けてたかがスプーンを曲げたところで、一体何の役に立つ能力だというのだろうか?

あんなものは何の役にも立たない能力でしかない。

テレビの演出とは、実にいい加減なもので、あれですっかり超能力ブームが起きて、マジックは一段下に見られた時期もあった。

超能力ブームが起きて、S少年やK少年などはテレビや雑誌にも登場したが、トリックがバレて酷い目にあったりもした。

しょせんトリックだし、先述した様に、スプーンを曲げられたとしても何の役にも立たない能力だからあっという間に忘れされたのだった。

第二次のブームはMr.マリック(松尾昭)の登場である。私は大学生時代に彼がマジックショップ(テンヨー)のディーラーをしていた渋谷東急東横店やマジシャン仲間と始めた五反田のマジックショップ「マリック」(彼の芸名はこのマジックとトリックを合成したショップの名前からきている)のお得意さんでもあったのだ。

大学を卒業して数年後に、Mr.マリックが帯広の飲食店にゲストとして来た時にその店の主人が、私がマジックをやっていたことを知っていて券を売りに来た。この時は去年若くして亡くなった藪下(マーカ・テンドー)君が一緒であったが、まだブレークする前であった。

松尾さんも私のことを覚えていてくれた。その翌年も彼は同じ店で超能力マジックを演じて、そしてその翌年にブレークしたのであった。

ユリ・ゲラーのテクニックとマリックのテクニックは雲泥の差があるから、マリックのスプーン曲げは完璧であった。

この時に、マリックは「神か?、悪魔か?、超能力者か?、驚異の超魔術!」とかなんとか言って、これまたマジックなのか超能力なのかを曖昧にして演技したものだから、超能力だと信じる人が多く出たし、暴露本も数冊出たりしたのであった。

第三次ブームは現在で、DAIGOという若い学生風のマジシャンがフォーク曲げをやって受けている。彼はマジックだと明言しているが、テレビ局側は一緒にテレビに映る芸人に「彼は超能力者だと」言わせたりしているのでこれまた混乱をしている人がいるようだ。

スプーン(フォーク)曲げの原理は、人間の思い込みを利用している。

スプーンは金属だ。金属=固い。手では曲げられない。という思い込みである。

スプーン曲げは、マジシャンに言わせれば、超能力マジックというよりも、云わば科学マジックと云う方が正しいかもしれない。

要は、科学の原理を知った上でやれば簡単に出来るマジックなのである。

単純なトリックに超能力という味付けをすることで、驚きが生まれるのだ。演出と云う面ではマジックの本質を現わしているといえるかもしれない。

今回は、これからのクリスマス、忘年会、新年会などで簡単に演じられて、驚かせられるマジックを習いたいという要望にお応えして教えることにした。