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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-11-24-Thursday 立川談志

落語家の立川談志が亡くなった。

21日の午後のことで告別式は近親者のみで済ませたのだということだ。

また一人、面白くて破天荒な芸人が死んでしまった。

私は立川談志の落語を2回だけ生で観ている。どこで観たのかまでは覚えていないし、題名も知らないが、江戸時代の花火の時に武士に無礼打ちにされた町人の首が、また本人の身体にくっ付くのだが、歩く度ごとに横にズレテいくというしぐさをする落語であったと記憶している。その所作が見事で、本当に首が切れてズレテいるのではないかと思うほどのジェスチャーであった。所作に無頓着な落語家が多い中で、実に見事な技で、落語は口先だけでするものではなく、身体全体で演じる芸能だと思わされた初めての体験であった。

立川談志は口が悪くて他の落語家や芸能人のことをいつもクソミソにけなしていたが、本人の落語に限らず「芸能」全般に対する深い洞察力や研究心はすごいものであった。

本人は天才と称していたが、影ではすごい努力家でもあった事と思う。

どうも最近は芸能人にも一般人と同じ規範を求めるきらいがあるが、それが芸能をつまらなくしていると感じる。

芸能界とか角界というのは一般人の規範に収まりきれない人間達が入る世界であったと思うのだ。そこに一般人の規範を入れてしまうから、一般人の延長線上のツマラナイ芸NO人ばかりになってしまうのだ。

日常と異なる世界を表現してナンボの世界が芸能界である。芸能の多くはドキュメンタリーではない、空想の世界、夢の世界なのだ。その狂気の部分を日常生活の延長線上で表現するのでは、その芸能の幅が著しく狭まり観る価値が半減すると思っている。

立川談志はそういった型破りのハチャメチャな言動をするが、芸だけは一流という最後の芸人なのかもしれないなぁ〜。

これでまた日本の芸能界がツマラナクなってしまった。