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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2012-04-01-Sunday 馬鹿もん

「馬鹿もん」と書いて「うまかもん」と読ませる。

2年前の4月1日のエイプリルフール(四月馬鹿)の日にスタートさせるべく、その1年前からいろいろと準備をした事業であったが・・・。

「馬肉」と「鹿肉」の需要が伸びなくて困っている業界がある。

「馬肉」の方は、世界で唯一、帯広市だけで開催されている農耕馬が重たいソリを引っ張って競う「ばんえい競馬」である。

以前「ばんえい競馬」は、北海道で帯広・旭川・北見・岩見沢の4市で開催されていたが、地方競馬と同じく収支が合わなくて帯広以外の3市は2006年度で撤退をしてしまった。唯一、帯広市だけが残ったのだが、かなり苦戦をしている。いろいろな策を講じているが、目立った効果は上がっていない。観光カリスマとして相談を受けた私は、ばんえい競馬の根本は何なのかを調べてみたのだ。すると、ばんえい競馬の出走馬はサラブレッドとは異なり、1トンはあろうかという大型の農耕馬であった。また、この農耕馬は今時、馬で農地を耕す農家も居ないから、食肉用として生産飼育されていることも判った。北海道で生産される食肉用の馬のほとんどは熊本県に生きたまま輸送し、熊本県で屠殺解体され食肉として販売されている。

私が考えた理屈は「競馬は力強い馬が競うから面白い」→「競馬馬は食肉用に生産された馬の中から特に力強い馬が選ばれる」→「馬肉の消費が少ないと食肉用の馬の生産を止めて、牛に転換してしまう農家が増えてしまい、相対的に力強い馬の数が少なくなる」→「馬肉の消費を増やして、良い馬が多数生産されるようにする」→「力強いレースが多くなって競馬が面白くなり競馬ファンが増える」という風に考えたのである。

つまり、ばんえい競馬を面白くするには、馬肉の消費を増やすことが重要だと考えたのだ。

ところが、馬肉と云うのは、県によっては全く食べない県があると云うことも判った。食文化が異なるのだ。恐らく、牛耕か馬耕かで別れたのではないかと推測している。

北海道は、ご先祖様がどこの県から来たのかに依って、馬肉を食べる家と食べない家とが分かれるようだ。

我が家は、父方が山梨県出身、母方が秋田県出身で共に馬肉を食べる文化があるから、私は幼い頃から馬肉を食べていたので全く抵抗がないが、馬肉を食べない人の中には、あんなに可愛い動物の肉は食べられないとノタマウご仁も多い。ベジタリアンが馬肉は食べないと云うならまだ話は判るが、牛や豚や鶏は可愛くないから食べられるとでも云うのだろうか?理屈に合わない理由である。

もう一方の「鹿肉」は北海道ではエゾ鹿が増え過ぎて被害が深刻化している。ただ鹿を殺して駆除するよりは、欧米では鹿肉はジビエの最高峰として珍重されているのだから供養の為にも人間が食べてあげるべきだと考えている。

どちらの肉も食べてみたら、抜群に美味しい肉なのである。ただ、以前に「鹿肉」の場合は、ハンターが狩猟で獲った鹿肉は、血抜きが不完全だったり、解体の際に膀胱を破ってしまってオシッコが掛かってしまったりして嫌〜な臭いや血の臭いがしたりしたことがあり、それがいつしか鹿肉は臭いというイメージが定着してしまったようなのである。

このイメージを打破する為に、正攻法で著名なシェフが鹿肉料理のレシピを紹介したり、レストランで提供したりしてきたが、なかなか上手くいっていないのが現状である。

そこで「馬」と「鹿」で「ばか」と云う文字面で目からのショックで印象を深くし、それを「ばか」ではなく「うまか(もん)」と読ませることで、「うまいもの」という音でのイメージを作ろうという戦術であったのだが・・・。(実はもっと深い意味があるので、興味のある人は私の以前に書いたブログを読んでください)

一緒にやりたいと言って来た北海道青年会議所の連中は、始まる前から動きが鈍くて、結局とん挫することになってしまったのだ。

どうも青年会議所は2年目以降の活動がダメな組織である。私もそれが判っているから「十勝環境ラボラトリー」を始める時には青年会議所と別組織を造って対応したのだが・・・。懸念が現実のものになってしまった。

「馬鹿(うまか)もん」はこのまま眠らせてしまうことになるのだろうか?実にモッタイナイ話である。