上智大学の前学長である石澤良昭教授からで「〈新〉古代カンボジア史研究(風響社)石澤良昭著」という本で「謹呈」という短冊が入っている。
開いてみると中に「ご支援くださいましたみなさまへ」という手紙が入っていた。
石澤先生の最も新しい研究成果をまとめたもので、2013年9月20日に発行されたものである。
A5版サイズ760頁の函装の立派な本だ。
石澤先生との出会いは1992年に帯広青年会議所として発表した「国際環境大学構想」の関係である。
1995年に「国際環境大学構想プロジェクト」の担当副理事長として、帯広市の大学問題委員会の委員になった私は、その委員会で副委員長をされておられた石澤良昭先生の知己を得た。
石澤先生は帯広市出身で帯広三条高校を卒業され、当時は上智大学の教授であり、カンボジアのアンコールワット研究の世界的権威でもあられた。
この帯広市の大学問題委員会はその後活動を停止するが、私は逆に「十勝環境ラボラトリー(TKL)」を1996年に設立して活動を活発化させていく。
そのTKLで毎月、中央で活躍されている大学教授などを招聘して「公開講座」を開催していたが、石澤先生にも2000年7月21日の第47回公開講座で「アンコール・ワット〜大伽藍と文型の謎〜」と題した講演をしていただいた。
その講演に、我が社の隣でカメラ屋を営んでいた、同じ帯広三条高校卒で上智大学卒の浅野祐一さんが参加された。
懇親会にも出席した浅野さんが、お酒の勢いもあってか石澤先生に寄付の話を始め、カンボジアでの移動用のワゴン車を寄贈することになり、その手配など一式を私がすることになったのである。
その贈呈式をカンボジアで行なうから、「キッカケを作ったお前も参加しろ」と浅野さんから言われてカンボジアに同行したことが、アンコール・ワットに魅了されることにつながっていくのだから、人生というのは面白いものである。
以後も浅野さんの寄付は続くのだが、紹介しただけなのに私もその度毎に贈呈式に出席することになる。
今回は、帯広の上智大学の同窓会に出席するために帯広入りした石澤先生と電話でお話しただけであったが、その際に本を寄贈しますので読んで下さいと言われた本が届いたという次第である。
何度もカンボジアに行っている内に、歴史にもすっかり詳しくなったが、今回頂いた本をジックリ読んでまた勉強したいと思う。
ありがたいことである。感謝、感謝。