以前は、番組編成時期になるとマジックの特番が組まれたものだったが・・・。
そんな中、新聞のテレビ欄を見ていて、20日のフジテレビ系列(北海道ではUHB)の19:00〜の「ほこ×たて」という番組で「絶対タネ見破る男VS見破られないマジック」という文字を見つけた。
一応、マジックの文字を見掛けると録画をしておくのが習慣になっているが、録画してしまうと、いつでも見られると安心してしまい。ずっと見ないままにしてしまうことも多い。
今回は、温泉に行ってサウナに入った時に、ちょうどこのマジックをやっていた。
見破られないマジックを演じるのは旧知のマジシャンである上口龍生さんだ。彼とはメールをやりとりする仲である。
一方の見破る方は庄司タカヒトさんでお会いしたことはないが著作は数冊所持している。どちらも優秀なマジシャンである。
録画してあるから、後からゆっくり見れば良いのだが、マジックをテレビでやっていると、ついつい見てしまう。
いつもは12分間入っているサウナに15分間も入ってしまって、かなり身体がしんどかった。
龍生さんが演じたのはカードマジックで、同じ数字のカードを4枚ずつ一緒に全種類出していくというマジックだ。
まだ見た事がないからオリジナルマジックなのだろう。
それを目の前とビデオでも見ながら、同じ現象を6時間という制限の中で披露できれば庄司さんの勝ち、出来なければ龍生さんの勝ちという趣向である。
大嫌いなマジックの種明かしは無いから、まだ救われるが、視聴者は見ていてもつまらなかったのではないだろうか?
龍生さんがやったのは、いわゆる数理トリックという部類のマジックで、カードのセッティングが重要になるマジックだ。ビデオ映像があれば、時間さえ掛ければ再現は可能な部類のマジックである。
結局、最後の最後で庄司さんが失敗して、勝負は龍生さんの勝ちになったが、後一寸時間があれば庄司さんの勝ちになっていただろうから、勝負としては、あんまり意味のない設定のように感じた。
マジックというものは、マジシャンの数だけやり方、演じ方があるから、例え同じ現象を見せられても、タネが全く同じということは少ない。
ディレクターが果たしてそういうことを理解した上で制作をしているのか疑問に感じる。
むしろ、30年前にNHKが紅白歌合戦の前に放送していた「世界のマジック」という番組のようにマジックの舞台をそのまま放送してくれるのが一番嬉しい。
最近のマジック番組は、マジシャンの手元ではなくて、ゲストの驚いた表情のアップなどをやたらと映すが、こんな演出は不要だ。
マジシャンだけを映して欲しいと切に願うものである。