ここでもマジックを演じていた。
ビートたけしや所ジョージが司会をしている番組で、世界のテレビ番組などを紹介していたが、その中で台湾の若いマジシャンの番組を放送していた。
これが実にヒドイ!
テレビのマジック番組は、もはや何でもアリという世界になってきたようだ。
パン生地を手でこねていたら、クロワッサンになったり、長〜いフランスパンになったりしていたが・・・。
ゲストで出ていたMr.マリックも言っていた「自分のやっているマジックとは違う性質のものですね。この場所で演じてもらいたいですね」などと発言していたが、まさに、その通り。
近年のマジックは「カメラトリック」を多用している傾向にある。周りの観客もいわゆる「サクラ」というやつである。
カメラトリックを使ったら、何でも出来る。どんな不思議なことだって出来てしまう。
このマジックの前に放送していた額縁を持った人間の映像が実際に動いたり写真になったりというのはコンピュータグラフィック(CG)といういわゆる合成画面であることはハッキリしているが、このCGを使ってマジックをやるのはマジックの概念を破壊するものだ。
目の前で不思議な現象を見せられるからマジックなのであって、映画やテレビの画面上で不思議な映像を見せられても、それはマジックではなく、単なるフィルムトリックであったり、カメラトリックであったりするだけだ。マジックの臨場感というものは必須条件にしてもらわないと、そのうちテレビ画面を通してしか演じられないマジシャンが出てくるだろう。
何だか、こういう輩がマジシャンでございますと出てくるのは自分がやっているマジックを否定されるようでいささか気分が悪いものである。