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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2014-07-17-Thursday 驚嘆!

世の中にはスゴイ人が居るものである。

私は44年間もマジックをやっているが、これほど驚嘆させられたマジシャンは初めてである。

以前には、時間が無くてほんの30分間ほどしかお話することが出来なかった自衛隊員のYさんである。

そのわずか30分間の中でも数種類のYさんの創作マジックを拝見して驚愕したのだが・・・。

今日は一緒に食事をしながらタップリと見せてもらった。

Yさんがマジックを始めたのはわずか8年前だと言うから、これがそもそもの驚きだ。

師に当たるような人も居なくて独学で習得したという。

マジックをする人にはいくつかのタイプがある。

一番多いタイプはデパートのマジック用品売場でマジックを買って来てそれをよく練習もしないで他人に見せて喜ぶという類の人である。

これはいわゆる我々が「素人」と呼ぶタイプでマジックをまったく知らない本当の「素人」よりもタチが悪いことが多い。

こういう人の特徴はやたらと下手なマジックを他人に見せたがる傾向がある。

このタイプの人がやがてマジックの面白さに目覚めて、本やDVDなどを購入して一生懸命に練習して上手くなっていく。上手くなってくると益々他人に見せたくなってきて鞄などにマジック道具一式を持ち歩いて誰彼かまわず披露したくなる。

その段階が更に進むと、今度は私のように他人に見せるのが段々と面倒臭くなってきて、研究や収集に向かっていくタイプの人も現れる。

私がマジックを始めた44年前はビデオなんていう良いものはまだ無かった時代であるから、マジックを覚えるには本で覚えるか、師に付くしかなかった。

私も最初は一人で本を買ってきて覚えたし、東京の大学に行った時にはプロマジシャンに弟子入りして覚えようとした。

マジックは徒弟制度的な趣があって、師は手取り足取り教えてくれる訳ではない。舞台の助手をやったり運転手をやったりしながら、師の演技を横目で見ていわゆる芸を「盗む」のである。それを自宅で自分なりに練習して習得するから、ひとつの演目を覚えるのにやたらと時間が掛かったものだったし、タネが本当にその通りだったのかはハッキリしない。

当時のプロマジシャンとしてテレビに出るような人には必ずと言ってよいほど師匠という存在があった。

ところが、最近はインターネットというものが普及して、ユーチューブなどで無料でマジックの動画やタネ明かしが見られるようになった。

だから最近のテレビに登場するプロマジシャンの中には師匠を持たない人が増えている。

ネタを覚えるのも「盗む」わけではないから極短時間で済むし、映像で覚えるのは楽である。

そういうマジシャンが増えている中で、このYさんは特異な存在である。いわゆるマジックの「素人」であったからなのかもしれないが、先入観念なしに独自に技法を編み出し、独自に道具まで手作りしてしまう。

昨日見せてもらったマジックも全てYさんのオリジナルマジックである。

そのどれもが完成度極めてが高いのである。

マジックを初めてから8年目ということもあるのだろうが、とにかくちょっとでも機会があれば他人にマジックを披露していると言う。

まだ見せたい時期の真っただ中という感じであるが、マジックは自分だけで研究していてもあまり意味がない。

マジックは他人を驚かせてナンボの世界であるからだ。

他人に見せれば見せるほど技術は上達するし、見せ方も上手くなる。

プロとアマの違いはまさにそこにあるのだ。

私のような知識だけの頭でっかちになってしまい、めったに他人には見せなくなると、当然技術は衰えるものだ。

Yさんはまさに今が絶好調!という感じである。

そのYさんが、日本中の色々なマジシャンを見てきて、この人はスゴイと思ったマジシャンがもう一人帯広に転勤してきたという。銀行員だそうである。

まだお目に掛かっていないが、近い内に紹介するというから今からとても楽しみである。

マジックを見ていると楽しくて、ついつい時間も忘れて、お酒をたくさん飲んでしまう。

こんな楽しくウキウキするのは久し振りである。帯広にこんなスゴイマジシャンが同時期に二人も現れるなんてとても幸せだ。

二人とも転勤族というのが辛いところだが、ここしばらくは楽しい日々が過ごせそうである。