ツアーに乗っかっての帯広入りであるので、帯広空港からホテルまでは、ホテルのバスで向かうというから、私は、ホテルに迎えに行くことになった。
そのツアーのスケジュール詳細は10日にマコママの自宅に届いたと云う。
私のところには16〜19日の3泊4日で帯広に行くとだけしか連絡が来ていなかったのだ。
ホテルも帯広市内のホテルなのかと思っていたら、マコママが言うにはパンフレットには十勝川温泉のホテルと書いてあると云う。
十勝川温泉は隣町の音更町にある。私の会社からは自動車で20分ほどの距離だ。
ホテルの名前を聞いたら筒井温泉ホテルだと云う。筒井ホテルは確かに十勝川温泉郷と同じ音更町にはあるが、十勝川温泉郷のホテル群とはかなり離れた別の場所にポツンと一軒だけ建っているホテルなのだ。
私が子供頃は、スキー場があったり、温水プールがあったり、ボウリング場があったりして、父の会社の慰安旅行などで何度か泊ったことがある。いつも行くゴルフ場の近くであるから、外から建物を見ることはあるが、ここ30年ほどは行ったことがないホテルだ。
マコママはホテルの前で待っていた。
今回来たツアーは行き帰りの飛行機とホテルの宿泊だけで、あとは全部終日自由行動であるという。
今の時期の十勝は観光の端境期で、紅葉も終わっているし、雪もないし、マコママは肉がまったく食べられない人だから、十勝名物のジンギスカンや豚丼などを振舞うことも出来ない。どうやって時間を潰そうかと考えていたら・・・。
とにかく、すぐにマジック博物館を見たいというので、まずは博物館に直行して見てもらったのであった。
入るなり目に入った「トランプの壁」に「ウォ〜すごい!」と感動してくれた。
私の労力を理解してくれたのだろう。「よくぞ、ここまでやってくれた」と褒めてもらったのであった。
そう言ってもらえると、こちらとしてもやりがいがあったってもんである。
トランプをひとつひとつ見ながら、このトランプは誰からもらった、このトランプにはこういうエピソードがあると、次から次へと話が尽きない。
私としても喜んでもらえて嬉しい。
マコママが帯広に来ると言わなかったら、きっとまだ「トランプの壁」すら完成していなかったろう。
作業を進めるちょうど良いキッカケになった。
ただ道具を見ただけでは分からない、送られてきた道具類の使い方やエピソードなどを聞いていく。
使っていた本人に聞くのが一番である。
私も知らなかった色々なことが分かり、またひとつ楽しいことが増えた。
マコママは全国各地にちらばっているジミー師の弟子たちをここに集めて見学会と座談会をやり、マジック界のエピソードをまとめて本にしたいという。
また宿題が増えてしまったようだ。