展示物の飾り付けをやりたいと言う。
ただ見学に来るだけでは物足りないのだろうし、観ている内に身体がうずいてきたのだろう。
以前に購入した男性3体と女性1体のマネキンに、事前に私が衣装を着せていたのだが・・・。
マコママは「燕尾服にブラックタイはまずいやろ〜!燕尾にはホワイトタイやで〜」とか「燕尾にフリルのシャツはないやろ〜!燕尾にはイカ胸のシャツと相場が決まっとるんやで〜!」、「間違ったまま展示されたら恥ずかしいから着替えさせたいんや〜」と言うのである。
着せてある衣装を脱がせて、衣装を選び直し、着せ替えたたのであった。
燕尾服ばかりでは面白くないからボレロやフロックコートやタキシードなども着せたいというが付属の小物が足りない。
結局、マネキンに完璧に衣装を着せるには燕尾服しかない。燕尾服は黒・青・エンジ色の3種類があるからこれを着せることにした。
着せ替えをやっている内に、マネキンの腕を抜いて背中側に回した際にマコママが「ウワァ〜先生の腕が折れたぁ〜」とビックリして大きな声を出した。服に腕を通している内に普通の人間にはありえない方向に腕が曲がったので驚いたのだろう。
マコママは人形であることを一瞬忘れて生身の先生に衣装を着せていると錯覚したのだと言う。それほど入れ込んでいたのだろう。夢中になって作業に没頭していた。結局、3時間近くも掛かって4体のマネキンに衣装を着せたのであった。
着せ終わってから、記念に写真を撮ろうかということになったのだが、そのままの形では面白くないと言う。
せっかくポーズを取れるマネキンなのだから、マジックを演じている場面のようにポーズをさせて撮ろうよということになったのであった。
ステッキを持たせたり、大きなカードを持たせたり、シルクや毛花やパラソルや帽子を持たせてポーズを決めていった。
まるで大きな着せ替え人形でままごと遊びをやっているような感覚である。時間の経つのも忘れて2人で楽しんでいたのであった。
ちょうど新聞が届けられる時間になったので、作業を一旦中断して新聞を見てみたら高倉健が亡くなったと云う記事が大きく載っていてビックリした。
高倉健の特集記事で紙面が埋め尽くされている。高倉健は北海道で撮影した映画が多いから地元紙の扱いも大きいのだろう。
マジック博物館のことも、いわゆる3面記事と言われる四コマ漫画の載っている一番読まれるページの21面に、しかも漫画の横の一番目立つ場所に写真付きで大きく載っていたのであった。
マコママもとても喜んでくれた。
近くのコンビニに行って新聞を4部購入してきた。3部はそのまま持って帰ると言う、1部は切り抜いてラミネート加工を施した。
新聞の効果は大きいもので、さっそく新聞を読んだ知人から「博物館に協力したい」との申し出の電話をもらった。嬉しいことである。
マコママが帯広に居る間に掲載してくれたのでとても良いタイミングであった。