マコママが東京に戻る日である。
ツアーの帰京までのスケジュールを聞いたら、11:00にホテルを出発して、途中、市内観光をする人を降ろす為に帯広駅で一旦停まってからは、後はそのまま帯広空港までホテルのバスが送るという。
飛行機の出発時間は16:10である。
多くの客は、帯広駅で下車して、市内をブラブラして、飛行機の時間に合わせて帯広駅前から出発する帯広空港行きのバスに乗って行くのだというが、これにはバス代の別料金が掛かる。
中にはそのままホテルのバスで帯広空港まで行って、空港で時間つぶしをする客もいるという。
ホテルから空港までは40分もあれば着いてしまうから、そうなるとおよそ5時間半も帯広空港で時間つぶしをしなければならない。
そんな不親切なツアーがあるの?と驚いた。
いくら安価なツアーで行き帰りの飛行機賃とホテルの宿泊だけのツアーで後はオール自由行動とは言えども、空港で5時間半は、いくらなんでもヒドイだろう。
駅ではなくて、空港まで送るというのがホテル側の親切なのだということらしいが・・・。
羽田空港のように色々な施設があれば時間つぶしもできようが、帯広空港では食堂と売店しかない。マッサージや仮眠をとる場所もない。
まさか、最後の最後にマコママを空港で5時間半も一人にしたのでは、マジック博物館でせっかく喜んでもらったのが全てパーになってしまう。
ここは私が十勝の観光に連れていくしかないと思い、ホテルに11:00に迎えに行く約束をしたのであった。
まずはホテルから池田のワイン城に向かった。
ワイン城は、私がまだ結婚する前だからたぶん1983年頃のことだが、ジミー忍師とマコママたちが、いずみたくさんと組んで「マジックミュージカル ザ・マジック」の全国公演をしていた時に連れて行ったことがあるのだ。
あの時は、釧路の公演に私が車で駆け付けて観劇し、終了後に夫妻と一緒に食事をした。翌日、私が運転する車で師匠夫妻を載せて帯広に向かう途中に池田のワイン城に寄ったのである。
30年以上も経っているがマコママも覚えていてくれた。ここで昼食を取る予定でいたが、しかし、見晴らしの良いレストランは10月で終了していたのだった。
マコママは肉は牛・豚・鶏すべてダメであるから、ここのレストランでは食べるものもないからと町内の有名レストランの前を車で通ったが、池田はやはり肉料理がメインであるから食べられるものがない。
マコママはラーメンも苦手だと言う。
帯広に到着してから毎日昼食は蕎麦ばかりである。初日は「丸福」のカニ天ぷら蕎麦、二日目は「小川」のもり蕎麦である。
帯広は蕎麦が美味しいとはいえ3日間とも蕎麦とは・・・。
まだまだ時間はたっぷりあるから、今度は中札内村の「花畑牧場」に連れて行った。
普段通ることのない田舎の道を通って十勝の風景を楽しみながら花畑牧場に着いた。カーナビがなければとても行けなかった道であった。
到着したが、駐車場には車が一台も停まっていない。
生キャラメルやチーズの工場は稼働はしているものの見学は10月で終了しているとのこと、建物の外から中の様子を窺うことはできるが・・・。売店もすべて終了している。
今度は、1994年に夫妻が十勝に遊びに来た折に案内した六花亭の美術村に行ったがここもも同じように先月で閉館していたのであった。
これでは時間つぶしがまるで出来ない。
そろそろお腹も減ってきたことだし、中札内村にミシュランの北海道版に載った「四季」という蕎麦屋がある。以前に数度食べに行っているから、ここに連れて行った。
マコママも蕎麦が大好きだというし、私も蕎麦が大好きだから、蕎麦が3日続きでもまったく問題がない。
ママを連れて行った三軒の蕎麦屋はどこも美味しかったと喜んでくれたのであった。
まだまだ時間はたっぷりあるが、遠回りしているとはいえ車は段々と空港に近付いている。
何処かないかと考えて「幸福駅」に連れて行った。ここも94年に夫妻を連れて来ている場所だ。何だか、昔、夫妻を案内した場所をなぞっているかのような観光になってしまったが、幸福駅も時間を潰すような施設ではない。
次に、方角的には帯広市内に近くなる大正町に戻って「あくつ」と云う洋菓子店に連れて行った。
先週、帯広に遊びに来た夫婦もここの生チョコレートが美味しいと買って帰ったくらいだから、ママにお土産に持たせたのであった。
時計はまだ14:40である。
ここから空港までは10分もあれば着いてしまう距離だ。近くに観光施設もないし、あっても営業していない。
見かねたのであろう、ママが空港でのんびりするからと言ってくれたので、空港に送っていくことにしたのであった。
この時期、観光の端境期とはいえ、観光客に見せるものが何もないというのも考えモノであろう。
十勝の観光関係者は11月の観光を何か考えた方が良い。
空港に送ってマコママと分かれる。「また来年もハッパかけに来るから、マジック博物館宜しく頼むデ〜」とのこと。
少しずつでも前進させるしかないなぁ〜。