今日の誕生日で満91歳に成った。
1923(大正12)年の生まれである。第二次大戦の終戦時にはソ連軍によってシベリアに抑留された経験がある。
今年の1月に体調を崩し入院したが、現在は自宅で療養するまでに回復した。元々細身の人であったが、入院時は口からモノが食べられずにかなり痩せてしまったのだった。
冗談で「シベリアから戻った時と現在では、どちらが痩せていますか?」と聞いたことがあったが、「シベリアから戻った時の方がもっと痩せていた」と真顔で言うので、シベリアではさぞや過酷な状況で生死の間を彷徨ったのであろうと思った。
今では、入れ歯も直して口からモノが食べられるようになったことで、かなり体力も戻ってきた。やはり口からモノが食べられるということは重要なことである。
皆で誕生パーティをしようと企画したが、まだ、外食に出て歩くのは大変であるから、関係者が義父の自宅に集まって祝おうということになった。
帯広在住の親戚が集まり祝ったのであった。
義父は肉が好きで、この年齢の人にしてはよく肉を食べる。
テレビなどで見ると、高齢でも健康でシャキンとしている人は肉が好物だと云う人が多いように感じる。やはり魚よりも肉の方がパワーが出るのだろう。
しかし、この日は寿司が良いと云うので寿司を出前してもらうことにしたのだった。バースデーケーキも買って来たが、ロウソクは91本も立てられないだろうなと思っていたら、ちゃんと「9」と「1」と云う数字のロウソクが付いている。店側もそう云う準備はキチンとしているのだなぁ。
食後に私のマジックを披露して散会したのだった。
義父はシベリア抑留から戻って来た後に義母と結婚し、妻の姉や妻が生まれたのであるから、もしも、義父が戦争で死んでいたら妻はこの世に生まれていなかったことになる。
それを考えると、この世に生まれると云うことは、すごい偶然の重なりなのであるなぁ〜と云うことを痛感する。感慨深い誕生パーティであった。