エッセー&コラム集の原稿を校正しながら、妻が見ていたニュース番組が何とはなしに耳に入ってきた。
東京の世田谷区で、保育所を建設しようとの計画に、地域住民が、子どもの声が騒音になると反対して建設できずにいるという様な話であったように思う。
校正作業の片手間であるし、しかも耳からだけの情報でもあるから、詳しい内容も分からないが・・・。
少子化で子どもの数が減っている世の中で、保育所建設に騒音が嫌だと反対する人が多いなんて驚きである。
確かに子どもの嬌声は耳障りかもしれない。
自分の子どもや孫の声ならまだ我慢も出来ようが、他人の子どもの甲高い嬌声を毎日聞かされるのは適わんと云うことなのだろう。
しかしだ。東京と云う大都会に暮らす住民が、騒音を理由に保育所建設に反対するのは、ちょっとオカシイのではないだろうか?
住宅街の一番の問題点は、年齢層の偏りである。
同じ世代の人間ばかりが暮らす街は、新陳代謝がないから、ドンドンと高齢化に向かって衰退していくだけだ。これを解決するには、あらゆる年代層が暮らす街が理想なのである。年寄りも居れば、壮年、青年、学生から幼児まで全ての年齢層が同一地域に暮らし、世代が循環していくのが良いのである。
保育所を住宅街に造る事によって、その街への子どもを持った世代の移住が増えることになるだろう。
それを、金持ちの年寄りが多い(偏見?)世田谷区の高級住宅街に暮らす老人が、子どもの声はウルサイから我が家の近くに保育所は造らないで欲しいと反対するのは、自分のことだけしか考えないエゴであろう。
子どもを育てる保育所の環境とすれば、交通量の激しい都心部よりも、静かな住宅街の方が望ましいのではないかと思う。
反対している住民は「事前に説明がなかった」とか「話を聞いていない」とかのコメントをしていたが、単にムクレテいるだけなのか?それとも建設する側の怠慢なのか?
防音対策などをしっかりやって、騒音がさほど気にならないように周りに配慮すれば、簡単に解決できるような問題にも思うのだが・・・。