14時から隣町の幕別町百年記念ホールで倉本聰の原作・演出の劇「屋根」の公演を妻と二人で観て来た。
これまでに、倉本聰の演劇はほとんど観ているが、今回の「屋根」はその集大成のように感じた。
一場面、一場面にこれまでの作品に重なる部分が登場するのである。どこかで、この作品に繋がっているのであろう。
倉本作品の底にある戦争反対、便利過ぎる物質文化への危機感、地球環境問題への意識が共通して流れているように感じた。
役者の台詞に共感を覚える言葉が多い。
徴兵に反発して逃げる猟師役の人が「人を殺して食べるのか?」「俺は食べる為に動物を殺す」「食べもしないのに殺すことはしない」云々のセリフがあったが、まさにその通りである。地球上の動物で食べないのに殺すのは人間だけである。昨今のテロだの空爆だのを繰り返す人間は一番愚かな動物である。
先週観たつかこうへいの「熱海殺人事件」も面白かったが、倉本聰の悲壮感もまた良い。やはり、演劇は生で観るのが一番である。
ただ、今回は観劇のマナーを知らない男性客が居るのがとても気になった。
私のすぐ近くの席で、的外れな解説や場面の予測を大きな声で得意そうに連れの女性にするのである。「黙って観てろよ!」笑う場面で声を出して笑うのは良い。しかし、的外れな解説をされることほど迷惑なことはない。
連れの女性に知ったかぶりをしたいのだろうが、恥をかいていることを分かっていないのだろうか?
劇中の後半部分に、主人公の息子が1億5千万円の借財を背負って破産し夜逃げをしようとする場面がある。この直前に、来客があり、昔の恩義に対するお礼として小さな木の箱を置いて立ち去る場面があった。
その観客が「きっとあの箱の中に1億5千万円が入っているんだぞ!」と大きな声で言う。
そもそも、この小さな木の箱になら、現金ならせいぜいが500万円ぐらいしか入らない様な大きさでしかないのに・・・。
小切手なら逆に箱にいれるはずもないし・・・。
知ったかぶりして、的外れなことを、得意そうに大きな声で言うから、周りは苦笑していたが・・・。
こういうバカな奴が観劇の一番迷惑な客なのである。
観劇の後で、一日遅れの誕生祝いの食事に出掛けた。久し振りに焼鳥が食べたくなったので、焼鳥屋で一杯飲んでから、これまた久し振りにカラオケに行って夫婦で2時間半も唄ってきた。精密採点で点数を競うのであるが・・・。
まぁ、妻が怒るから結果は書かないでおこう。