嫌いな番組がある。それはマジックのタネ明かしをする番組だ。
21日の20時から日本テレビ系の「世界の果てにイッテQ!」という番組でお笑いタレントの出川哲郎にマジックをやらせるコーナーがあった。
日本では、というよりも世界共通で、マジックのタネ明かしはご法度である。
マジシャンがタネ明かしをやったら、マジック界からスポイルされる。
過去に日本でも、プロマジシャンがテレビ番組でタネ明かしをやって、プロマジシャンが所属する組織である「日本奇術協会」から除名された人が居た。
今回は一応、アメリカに行って、アメリカ人のマジシャンに習うというスタイルを取ってはいるものの・・・。
ここでタネ明かしをやっていたマジック道具は、現在もマジックショップで販売されているものだった。
まだ現役の商品のタネ明かしはマズイだろう!
視聴率が取れるからと云って、タネ明かしをやってはイケナイ!
販売の妨害行為である。
もっとヒドかったのは、出川と云うタレントを使ったことである。こう云うイメージのあまりヨロシクナイタレントにマジックをやらせるのは、マジックのイメージを落しめる悪意ある演出であるとしか感じられない。
マジックの生命は「神秘性」である。
こう云う演出方法は、私のタレントに対する好き嫌いの範疇であろうから訴えることなど出来ないであろうが、マジックを愛する者としては非常に不愉快であった。
だが、どうしても許せない愚行があった。
世界中の有名イリュージョニストが、今も舞台で現役で演じている「折り紙イリュージョン」という傑作マジックを、素人の出川に演じさせたことだ。
これは許し難い愚行である。
出川の様な(不器用そうな)タレントと助手の女の子でも簡単に出来てしまうマジックだと云うことになってしまったら、このマジックの商品価値は格段に下がってしまう。
この「折り紙イリュージョン」を考案開発した人は、このテレビ番組を訴えても良いくらいだ。
おそらく、この「折り紙イリュージョン」を貸し出した日本のマジシャンが居るはずだが、そいつは許せないアホである。
素人に演じさせてもよいマジックとそうでないマジックがある。
金で転んで貸し出した愚かなマジシャンであろう。
マジシャンの一人として、実に恥ずかしい思いがした一日であった。
またこれで酒の量が増えてしまうではないか!俺の健康を阻害するなよ!