自らのお考えを、こう云う形で公表するのは極めて異例のことであろう。
何より驚いたのは、古来より公家が嫌う「言霊」の支配からの脱却である。
それは、自らの死に関して触れられたことだ。
古来、日本では、言葉には力があるから、言葉に発すれば現実化する。だから不吉なことは口にしてはいけないという風潮がある。
先の昭和天皇のご病状が悪化した際には、それこそ国をあげて、不吉なことを避けてきた。
また、天皇陛下が病気で臥せっている時に、国民が浮かれてはいけないと楽しいことの自粛も多かった。
現天皇がこう云う事態をを避けたいという意思が感じられたお言葉であった。
自らが自身の死に触れることで、他の者が「もしも天皇陛下が崩御された場合に・・・」という未来に起こりえる事態の論議することを、これまでは「何を不吉なことを・・・」と云ってしてこなかった日本の悪弊を是正されようとしているのではなかろうか?
福島第一原発事故も、この悪弊が生み出した事であるのだから・・・。
ここ最近は天皇皇后両陛下のお姿をテレビで拝見する度に、お年を召されたなぁ〜と思っていた。
ごく普通に考えてみれば、60歳で定年を迎える我々と違って、定年も無く、80歳を過ぎて尚、死ぬまで片時も休むことなく行事に追われる天皇皇后両陛下はあまりにも働き過ぎである。
いや、働かせ過ぎである。
好きで皇室に生まれた訳ではあるまいに・・・。
お言葉にあったように、象徴天皇としての責務をまっとうすることに全身全霊を掛けておられる。
比較するのもおこがましいが、私も、7月11日から土日祭日無しに働いているが、最近少し疲れて来た。
生まれた時から、休み無しで働き通しでは、心身ともに疲れるだろうなぁ〜と感じる。
日本は法治国家であるから、法律上は、色々と難しいことがあるのだろうが、ここらでゆっくりとご静養させてあげたら良いのではないだろうか?
天皇家は日本一(世界一)長い歴史があるだけに、逆に難しいのかもしれないが・・・。