札幌市教育文化会館小ホールで開催された。
私は前5回までは参加したことがなかったのだが、今回はちょうど札幌の北大病院で治療中なので、毎日、毎日、暇を持て余している状態であるから顔を出して来た。
一般向けのメインショーは17時からの開催なのであるが、マジックコンベンションと云うのは午前中からレクチャー、ディーラーショーなどのマニア向けの催しが満載なのである。
北海道マジックコンベンションは1日だけの催しなのであるが、大きなコンベンションであったら2〜4日間の開催期間で、レクチャー教室もマジックショップでの販売ブースも沢山あるので、見て回るだけでも大変なくらいなのである。
因みに、「レクチャー」と云うのは、有名マジシャンがマニアにマジックを指導する教室のことで、主に講師のマジシャンが草案したオリジナルマジックの指導が多い。このレクチャー教室で販売される「レクチャーノート」と云うのはその場でしか販売されないから、私の様な書籍類のコレクターは、このレクチャーノート欲しさに各地で開催されるレクチャーに参加するほどなのである。
ディーラーショーと云うのは、マジックショップの販売員(ディーラー)が自社製品の実演を行って見せるもので、このショーで、客はマジック道具の演じ方を見て製品の良し悪し等を判断して購入するのである。
これらの催しは、マニア向けの行事である。
私は13時頃に会場入りしたが、顔見知りの人が大勢居た。私も、ここ最近はテレビに多く出演していたから、マジック界では結構顔と名前が売れていて、まったく見知らぬ人からも「マジック・ミュージアムの坂本さんですよね?」と声を掛けられた。
数名の知人は、私が前立腺癌の治療中と云うことも知っているから「お身体はもう大丈夫なのですか? マジック・ミュージアムを拝見しに行きたいのですが・・・」と心配そうに声を掛けてくれる。そのたびに「マジック・ミュージアムの営業は今年は終了しました。また来年のGW頃に再開しますので・・・」と同じことを何度も話したのであった。
17時からのショーであるが、この手のショーを見るのは久し振りである。最初に登場するアマチュアのマジシャンの、緊張しながらも嬉しそうな顔を見ていると、マジックって色々な楽しみ方があるのだなぁ〜と感心する。
その後の、アマチュアマジシャンのコンテストは・・・。コンテストは試験である。順位を争う競技である。
あぁ、それなのに・・・。審査員の批評がまるで甘過ぎる。最近は褒めて上達させようと云うことなのかしらん。長所を褒めるのは私も良いことだと思うのだが、誰も欠点を指摘しないのである。まぁ、コンテストとは言っても、マジックをまったく知らない観客が500名ほども入場している前では、専門的な指摘は出来ないか!
それにしても、最近の若手マジシャンはマジックの何たるかをまるで理解していないように感じた。
「マジックとは不思議な現象を見せる演芸である」完成度の低い難しいテクニックを無理して見せるよりも、もっと簡単に出来る技で完璧な不思議を表現しなくてはならない。
更に云えば、ステージ上の所作がまるで分っていない。マジックで最も重要なミスディレクションが不完全だから、スチールが丸わかりである。衣装もヒドイ!だらしないと云うよりもそもそもマジック向きではない。身体への道具のセットの仕方、ジャリの付け方、使い方がまるでなっていない。誰か指導する人が居ないのだろか?
人に披露する以前の問題である。
おそらく若手マジシャンは、自分でDVDやYouTube等などで独学でマジックを覚えたのであろう。テクニックは素晴らしいが、しかし、観客への見せ方がまるで酷いのである。
ここが残念なところであった。
しかし、その後のゲストプロマジシャンのバーディコヤマさんとメイガスさんの演技はさすがプロと云うものであった。
プロとアマチュアの差を改めて認識したのであった。