9月5日に入院してから10月25日の退院までに、実に51日間も入院していたのである。
看護師からは9:30までに病室を明け渡して欲しいと言われている。いつも通リに6:00に起床して、6:30からシャワーも浴びて、荷造りを始めた。
21日に帯広に外泊許可をもらって帰った際に、かなりの荷物を持ち帰っているから、鞄一つしか荷物がないので簡単に片付いたが、およそ2ヶ月間の入院生活になるからと、最初の日に1階のローソンでポンプ式ボトルのシャンプーとボディソープを購入して使用していたのだが、どちらも3分の1ほどが残っている。
これを持ち帰るのは面倒だなと思い、看護師に置いていきたいのだがと聞いたら「入院患者の中にはシャンプーなどを用意しないで入院する人が居るから使わせてもらいます」とのことで有難い。持ち運びには不都合な形状であるからなぁ〜。
退院するには、入院費用を全額清算しなければならない。9時過ぎになってようやく請求書が届いたが・・・。
入院費と治療費の合計が25万円弱、これは10月分だけの費用だ。
2週間程前に、陽子線治療費が300万円超、9月分入院費と治療費の合計が40万円弱の請求書が2枚病室に届けられた。
入院前に、生命保険会社の担当者と陽子線治療費の高額請求に対する支払いの方法を確認した際には、事前に保険会社から病院に連絡しておいて、直接病院側に支払う手続きをしますから患者さんは病院には直接払わなくて結構ですよと言われていたのだが・・・。
エッ〜ツ、どうなってるの!
すぐに生命保険会社の担当者の携帯電話番号を調べて、状況の説明をして保険金の支払いはどうなっているのかを尋ねたら・・・。「大至急本社に確認してみます」との返事、しばらく後からの電話では「すみません!手続きに不備がありまして、今回は保険会社から病院への直接の支払いは出来ません。」と云う。
「おいおいおい!何を言ってるんだ。貴方が高額医療分の支払いは、患者の持ち出しは無いと云うから安心して入院したのに・・・」と非難したら、ひたすら「申し訳ございません。とりあえず立て替えてお支払い下さい。医師の診断書が届いたらすぐに坂本さんにお支払いしますから・・・」と謝るばかりである。
全額支払わなくては退院させてもらえない。
病院の窓口に出向いて医師の診断書はいつ頃発行されるのか質問したら、「退院しなければ書くことが出来ないので、お手元に届くのは退院後2〜3週間たってからですね」とのこと。
そうなると、立て替え払いのタイムラグが1ヶ月ほどは掛かることになる。
何とか、お金を工面したりして支払ったのではあるが・・・。まだ何とかなったから良かったものの・・・。
冷や汗物の一幕であった。
支払いの清算も全部終わり、JRの列車で帯広に戻る。
つい2,3日前にも戻っているから「帰って来たゾ〜」と云う感じはないが、それでも一時帰宅と退院とでは感覚が異なる。
ようやく治療が終わったと云う一安堵でなにより心が安らぐ。