入院していた約2ヶ月の間に届いていたマジック用品が山のようにミュージアムに積まれている。
段ボール箱に入っているモノ、レターパックで届いているモノなど様々であるが、なにしろ量は半端な数ではない。
一昨年12月3日のプレ・オープン以前から、テレビや新聞などで紹介されたものだから、全国各地から続々と貴重な品物が届けられて来るのだ。
去年7月にセミ・オープン(7月16日〜9月末日)をしたが、一旦閉館した去年10月から始めたグランド・オープンの為の準備が、この新しく届けられたマジック用品の整理に手間取ってしまい、満足するグランド・オープンには出来なかったのである。
展示品に説明文を付けようと考えていたのだが、増え過ぎる展示品の整理でキャプションまで手が回らなかったのだ。
一応、公言していたから4月29日にはオープンをさせたのだが、今度は、私が6月に癌宣告を受けてしまった。
通院やら治療などが始まり、休館することになってしまったのである。
まことに不本意な状態であった。
入院前に、退院してきたら、冬の間にまたコツコツと展示のやり直しをしようと考え、ガラスのハイケースを2本発注しておいたが、それを今日6日に設置したのである。
高さ1940、幅1800、奥行き450で背面が鏡張りになっているガラスのハイケースである。これを2本背中合わせにして、中に展示品を並べるつもりだ。
3階のミュージアムのスペースには、もはや什器を置くスペースなど無いのだが、無理やり詰め込んで設置した。これで通路が益々狭くなってしまったが・・・。
2015年12月3日のプレ・オープンの時でさえ「ゴチャゴチャとし過ぎだ!」「展示品をもっと減らせ!」との指摘があったのだが、この約2年間に新たに届いた展示品数は3000点はあるだろう。
その分、什器は8台も増えている。せっかく送られてくるモノを倉庫に眠らせたままにして置くのは忍びなくて、飾って、来場者に見せてあげたいのである。
入院中には、ネットでフランス製のオートマタ(自動人形)を入手した。
ミッシェル・ベルトラン作の「美人手品師」と云うオートマタだ。長年探し求めていた自動人形のマジシャンである。
この人形には特別なケースを作ってあげたい。それくらいこのオートマタに惚れ込んでいるのだ。
早朝から、ハイケース設置の作業を見守っていたら、妻が見つけて「何これ!まだ増やすつもりなの!」とおカンムリである。
「女遊びで散財するよりも良いだろう?」と言ったら「女遊びの方が安上がりかも・・・」と言う。
妻の言葉は右から左にスルーして、毎日少しずつ整理を続けていこうと思っている。
それが生き甲斐になっているんだから・・・。