「朝食会」で講演をして欲しいとの依頼を受けた。
実は、ここ最近は「マジック」を主題とした講演は極力お断りをしているのである。
以前に行っていた「北の屋台」や「まちづくり」など演題の講演ならば、ただ話をするだけで済むので、とても楽なのであるが、「マジック」を題材にするとマジックの演技をすることも求められるからだ。
マジシャンの端くれなんだから「マジック」を演じるのが好きなのでは?と思われる方が多いのであるが、マジシャンにも色々なタイプが居るのである。
アマチュアマジシャンの中には、機会がある度に演じたい。たとえ機会が無くても、それでも強引に演じたいと云うタイプも中には居るのであるが・・・、私は研究するのが大好きであって、演じることはそれほど好きではないタイプなのだ。
だが、マジックを演じる以上は下手なマジックは見せられない。私にだってプロマジシャンを目指したというプライドがあるからだ。
もうひとつ理由がある。
それは師匠であったプロマジシャンの故ジミー忍師の教えである。ジミー忍師からは「マジシャンたるもの、舞台に立つ時には燕尾服かタキシード等の正装で立つべきだ」と常日頃から言い聞かされてきたのである。
ジミー師が初めて寄席の舞台に立った時には、靴を脱がされて靴下姿で舞台に立たされたと云う。寄席は落語家の為の小屋であるから、舞台の上は足袋姿が基本で靴を履いてはいけないのである。燕尾服姿に靴を履かずに靴下だけと云うイデタチはまるで様にならずに恰好が悪く恥ずかしかったのだ、だから以来、寄席への出演は断ったのだと云う。
その教えが染みついていると云えばやや恰好が良いのだが・・・、私だって、プロマジシャンを目指したからには、舞台衣装として燕尾服もタキシードも作っているが・・・。実態は、太ってしまって昔の舞台衣装がまったく着られないのである。では、新たに舞台衣装を新調すれば良いではないかと思うだろうが、この無様な太鼓腹では、どんな衣装を着ても様にならないのである。
そういう訳で「マジック」だけの演技はお断りをしている次第。
7日は集会場に朝の7時までに入って欲しいとのこと。そうなると自宅を6時半には出なければならない。ということは5時半には起きて身支度を整えなければならない。いつもは8時起床なのに・・・。
町内会と聞いていたので、自宅の所属する町内会をイメージして、観客は20名程度かなと思って着いたら、何と50名ほども居る。そうかぁ「連合町内会」かぁ。思い込みはイケナイなぁ〜。持参した資料も数が足りなかったのであった。
講演は、40分間の内の15分間をマジックの実演に使って話をした。マジックの実演を交えると、話だけよりも観客は退屈しないのであろう。概ね好評であったように思う。
マジック・ミュージアムの宣伝にもなったので良かった。