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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2018-06-29-Friday W杯ポーランド戦

このブログは29日の午前10時に書いている。

W杯サッカーのポーランド戦を観たが、結論から先に言うと西野監督は良くやった。

リーダーが一番やってはイケナイことは『確固たる信念を持たず、何も決められずにズルズルと行く』という行為である。

確かに、試合後半の残り15分間位は、見ていて楽しい試合ではなかった。スタンドの観客からも激しいブーイングがなされていた。金を払って観に行った観客にしてみたら「金返せ!」と云う気持ちも分かる。もしも私がスタンドに居たら、きっと同じ対応をしたであろう。

しかし、西野監督に課せられた最大の仕事は、サムライブルーを決勝トーナメントのベスト16に行かせることであろう。観客を喜ばせるのは2番目、3番目のプライオリティでしかない。

朝のテレビでは、コメンテータの一人が「明日(将来?)の日本サッカーを考えたら攻めるべきであった」云々としつこく何度も正論を吐いていたが・・・。こう云う人はトップに立った経験の無い人であろう。評論家に多いタイプだと感じた。

だが、ここは誰もが頭の中ではそう思っていても、他人に正論を吐かれると頭に来る場面である。そんなこたぁ〜先刻ご承知だぁ〜と。

指揮官として、別の会場で同時刻に戦っているコロンビア対セネガル戦の戦況情報もリアルタイムで入手しながら、あの場面では最善と思われる手を打った西野監督の判断と信念を称えるべきであろう。

相手任せ(セネガルが同点にしたら決勝には進めない)の大ギャンブル、大博打ではあったが、結果的にはそれが成功したのであるから良い判断であったと思う。

博打と云うのは、本来は勝つ見込みがかなり少ないのに、無謀に攻めることを言う。今回の場合は、負けているのに攻めない超消極策である。超消極策ではあるが、事前の分析がシッカリと成されていたからこそ出来る策なのである。

日本人は昔から「玉砕」とか「散り際の美学」とかを尊重し、格好良く死ぬことを良しとする風潮があるが、「死んで花実が咲くものか」なのである。

「格好が良い」と思っているのは死ぬ本人だけで、残された周りの人間にとっては甚だ迷惑な行為だけなのだ。

もしも、コロンビア対セネガル戦が、別の日や別の時間帯での開催ならば、状況判断はまた変わっていたであろう。しかし、同時刻での試合である。昔ならば、その状況を刻々と入手することは難しかったであろうが、現在にはスマホ等と云う情報機器があってリアルタイムで情報を入手できるのだ。

他の会場で同時刻に戦っているコロンビア対セネガル戦で、コロンビアが1点リードして残り時間が10分程度でしかない。この試合がこのまま終われば日本は、フェアプレーポイント(イエローカードの枚数)でセネガルの上位に行けて決勝トーナメントに進める。

日本は、この試合はポーランドの攻撃を川島がギリギリで防いでいた場面が多かった。完全に押されていた試合である。

もしも、攻めていって、反撃され、2点目を入れられたらその時点で予選敗退が決まる。

指揮官としては、1点取って、引き分けに持ち込んで、自力で決勝に進みたかったはずであろうが、そこをグッと堪えて、屈辱に耐えて超消極策を選手にやらせたと思う。

選手側にも不満が残ったゲーム展開であろう。しかし、その鬱憤を決勝トーナメントで返せば良いのだ。ここで正論通りに攻めて、もしも敗退して、4年後までズルズルとモヤモヤした気持ちを引きずるのは、それこそ日本のサッカー界にとって得策ではないと思う。

さぁ、日本チームよ。西野監督よ。決勝で勝って正論を吐いた連中を見返してやれ!頑張れ!日本!