北海道立帯広美術館で「魔法の美術館」と云う展示が6月30日〜9月5日までやっている。
「魔法の美術館」を英語に訳したら「Magic Museum」で「マジック・ミュージアム」と同じである。
日本唯一の「マジック・ミュージアム」を立ち上げた者としては「魔法の美術館」と云うのはとても気になる展示である。
どうせ雨で他のことをやることも出来ないので妻と出掛けることにしたが、駐車場が珍しく混んでいる。
何とか停めて車を降りて徒歩で美術館に向かったら、途中にやたらと親子連れの姿が多い。それも小学校入学前の幼い子供が多いから、きっと美術館の向かい側にある「児童会館」で子供向けの催しでもやっているのだろう、美術館にこんな小さな子供を連れてくるような事は無い筈だなと思いながら歩いて行くと・・・。
何とほとんどの親子連れが美術館に入っていくではないか。
チケット売り場の女性が「坂本様いつもありがとうございます」と云う。私の顔を知っている人なのであろうか、それとも、私は毎月美術館に観に行くから覚えられたのだろうか?「今日は子供連れが多くて騒がしくて申し訳ありません・・・」と案内してくれる。
確かにいつもの美術館の3倍は人が入っている。
中に入ると、センサーやら、コンピュータの映像やらを融合した身体で楽しむ展示である。これは子供に受けそうな展示である。
キャンバスに描かれた絵や、陶器、彫刻品など動かないモノの展示が多い美術館で、コンピュータグラフィックを使った動く映像の展示物や、人間の錯覚を上手く活用して不思議な感覚を起こさせる展示物ばかりである。
人間の脳味噌は目から入ってくる情報を、錯覚させる癖がある。分かっていても錯覚を起こしてしまうのだ。その錯覚を活用した展示物なのである。
こう云うモノをマジック・ミュージアムにも導入したいなぁ〜と云ったら「冗談じゃない」と妻が真剣に怒るのである。
いくら私でもこんな金の掛るモノを造ったりはしないよ。
それでも、これまでに観て来た美術館の展示方法とは異なっているので、展示の仕方としてはマジック・ミュージアムの参考にはなったのであった。
これからは、こう云う類のモノも芸術になるのだろうなぁ〜。