先週、本屋で見つけて、面白そうだと思い購入してあった高田崇史の新作「源平の怨霊」をずっと読めずにいたのである。
私は乱読で、活字であるなら何でも読むが、小説以外の本なら、数冊の本を少しずつ並列で読むのもヘッチャラである。
しかし、小説は一気に読んでしまわないと気が済まないのである。452頁を一気に読み切ったのであった。読み始めたら結末が気になって仕方がなくなるからだ。
特に、この高田崇史の歴史ミステリー物は大好きで、ほとんど全作を読んでいる。
こう云う視点で歴史を眺めると新しい見方が出来て、歴史が面白くなる。今回の内容に関しては、以前に読んだ別の著作のアイデアの焼き直しであるが、それでもまとめて読むと面白い。
源氏と平氏の争いの新たな視点が新鮮であった。
映画や推理小説と同じで、ここで詳しく論評してしまうと、マジックのタネ明かしと同様に、まだ読んでいない人が白けてしまうであろうから、詳しくは書かないが、日本の歴史に対する考え方として、この高田崇史と井沢元彦の功績は大きいと思う。
「不思議」をテーマに蒐集している「マジック・ミュージアム」の蔵書としては、「言霊」「怨霊」「祟り」と云うのは重要なポイントである。
これらは現代人にとっては単なる「迷信」ではあるが、それを信じていた当時の人にとっては真剣に恐れていたモノなのである。それらを避ける為に、都市が造られ、日々の生活をしていた。
その観点から歴史を眺める必要性は大である。もっと井沢元彦や高田崇史の考え方を日本の歴史学会も取り入れるべきであろう。
とにかく面白い本であった。早く次回作を読みたいなぁ〜。