イトコと言っても私よりも18歳も年上である。
私の父の兄の長男である。
伯父と父は、五男一女の6人兄弟で、伯父は次男、父は五男である。その他の兄弟は、皆、若くして亡くなっていて残ったのは2人だけであった。
伯父と父の年齢差は16歳もあった。
父とイトコの年齢差は12歳で、私よりも父の方に年齢が近いのである。
祖父は、札幌市のど真ん中である三越のすぐ隣の南2条西3丁目の角に札幌支店の住居兼店舗を持っていた。
伯父はその札幌支店を任されていたが、戦争中に徴兵されたので家族は実家の帯広に疎開をして来た。戦後も便利な場所にあったからGHQに接収されたので、イトコは中学まで帯広で暮らしたのである。
だから父とは兄弟のように育ったのだ。
このイトコは、学生時代にハワイアンバンドを組んでいたが、夏休みにバンドメンバーを引き連れて帯広に遊びに来て、父が経営していたダンスホールで演奏のバイト代を稼いだこともある。
私は小学2年生の時から、たった1人で列車に乗っては、春・夏・冬休みに札幌の親類の家に遊びに行っていた。
私が高校生時分には、私に酒、ボーリング、カラオケ、ダーツ、バックギャモンなどの遊びを教えてくれたのが、このイトコなのである。
ちなみに、私にマジックを教えてくれたイトコは、この弟で私よりも8歳年長であったが、5年前に64歳の若さで癌で亡くなってしまった。
年齢的には親子ほども歳が離れているが、気が合うイトコなのである。札幌の坂本家と帯広の坂本家の長男同士として、坂本家のルーツを訪ねておきたいと、一緒に祖父の実家がある山梨県北巨摩郡を訪ねたこともあった。
今回は、仲間と十勝でゴルフをやりたいから、良いゴルフ場を紹介して欲しいとの要請に応え、十勝カントリーと国際カントリーを紹介して予約を取ったのであった。
帯広入りして直ぐに、たった一人の生き残りの叔母である母の元を訪ねてくれた。
離て暮らす親類が仲良く交流できるというのは幸せなことである。