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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2019-11-11-Monday 勝毎「論壇」

2019年11月11日十勝毎日新聞「論壇」掲載記事

「ライブエンタメシティ」

第1回得する街のゼミナール「まちゼミinおびひろ」が10月1〜31日までの1月間にわたって帯広市内の商店で開催された。主催は帯広市商店街振興組合連合会で、「まちゼミ」とは「街中の店舗の店主や店員が講師となって、プロならではの知識や情報、こつなどを無料で教える少人数制のミニ講座」のことである。店からの販売は一切ないからモノを買わされる心配はない。

「つくる」「まなぶ」「グルメ」「きれい」などの26講座のうち、私も、商店街にあるマジック・ミュージアムの館長として「日用品を使ったかんたんマジック」と「トランプを使ったかんたんマジック」の2講座を受け持って講師を務めた。

全国の商店街は、どこも苦しんでいる。販売不振や後継者不足で閉店した店舗が並ぶ「シャッター通り」と化したり、空き地だらけの商店街も多い。原因はさまざまであるが、おおむね十数年前ならば交通体系の変化によって、自家用車が増えたために郊外型の広大な無料駐車場を持つ「ショッピングセンター」や「カテゴリーキラー」と言われた大型専門店、その集合体である「パワーセンター」などによって中心街の商店街は駆逐された。しかし、最近になるとその郊外型店も苦戦を強いられている。スマホなどの情報機器の普及によって「ネットショッピング」に取って代わられているのだ。

店舗を全国展開するには、土地代、建設費、人件費などの経費が膨大に掛かる。しかし、ネットショッピングならば、「配送センター」と「コールセンター」があれば、全国どこにでも流通させることが可能だから、店舗に掛かる経費を大幅に節約できる。

地方の商店街が、同じ土俵で戦っても勝ち目はない。人間は食べなければ生きていけないから飲食業ならば、まだ勝負の仕方もあるだろうが、ただおいしいものを提供するだけではそれも難しくなってきた。

私は「コミュニケーション」と「エンターテインメント」が重要な鍵であると考えている。「楽しく時間を過ごす」場所が必要なのだ。エンタメでも全国同じモノを上映する映画ではコミュニケーションが不足している。生身の人間が演じる一期一会のライブショー等が頻繁に開催される場所、そこに「おいしく」飲食できる店があり、付随した物品や、そこでしか入手できない希少品を販売するのである。これからは人間の趣味嗜好(しこう)でつながる交流を最大限に活用するライブエンタメシティに注目したい。