2年前の9〜10月の2ヶ月間、北大病院に入院して前立腺癌の先端治療である「陽子線治療」を受けてきた。
北海道には「陽子線治療装置」は北大病院と札幌の禎心会病院の2ヵ所にしかないのである。
帯広の厚生病院の検査で前立腺癌が発見され、治療法として前立腺の全摘出手術を勧められた。
自分の身体であるから、すぐに色々な情報を調べて、「全摘出手術」だけは避けたいと考え、セカンドオピニオンとして北大病院を紹介してもらったのである。
治療には、それぞれメリットも、デメリットもある。自分で納得できる方法で治療して悔いを残したくなかったのだ。
結局、北大病院で陽子線治療と内分泌療法の2つの治療を併用することになったのであった。
陽子線治療は2ヶ月間で無事に終了したが、内分泌療法は今年の6月まで6ヵ月毎の注射が続いたのである。
その内分泌療法の注射もこの6月で終了したのだが、陽子線治療の術後のデータを提供することに同意しているので、6ヶ月毎の検診がまだ数年は続くのである。
帯広と札幌間の移動はJRの列車で片道約3時間、往復で約6時間が掛かる。
午前中の受診であるから、前泊も考えたのだが・・・。
どうせ、前泊するとススキノに飲みに行って、血液検査の結果が悪くなるのがおちであるし、ホテルの宿泊代もモッタイナイから、早朝06:45発の一番列車で向かうことにした。
09:30に札幌駅に到着、まっすぐ北大病院に向かう。
10:00からの血液採取をして、11:00の放射線科の検診を待つのだが、とにかく北大病院は混んでいる。
毎回感心するのは、北大病院の血液採取をする看護師が上手いと云うことだ。どうも私の腕の血管は、上手く見つけられないらしく、帯広ではいつも失敗して何度も何度も針を刺されて閉口するのだが、北大病院はいつも一発で探り当ててくれる。毎日、大勢の血液採取をやっているから慣れているのであろうなぁ〜。
検査結果は、前立腺癌の進行度を測るPSA値が0.1以下で、これは治療後ず〜っとこの数値であるから、再発はしていないとのこと、まずは一安心である。
今日の検診医は、日本の陽子線治療の第一人者でもある清水伸一先生であった。
いろいろと質問をしたのだが、丁寧に答えてくれるので患者としても信頼がおける優しい先生である。
検診終了後に、札幌駅隣接の大丸デパート8階の食堂街でNHK札幌放送局の古谷敏郎アナウンサーと会食をした。
古谷さんはアマチュアのマジシャンで、今年の2月に、世界一のマジシャン島田晴夫師のロサンゼルスのご自宅に、古谷さんと私の2人で訪問したのである。
先月、島田晴夫師が、香港でのマジックコンベンションにゲストマジシャンとして出演された後に、東京に立ち寄って「傘出し」マジックの個人レッスンを行ったのであるが・・・。
その合間に、古谷さんと私とで、2月のお礼に一緒に3人で会食をしましょうということになっていたのだが、私の日程と古谷さんとの日程が合わずに、それぞれ別々に島田師と東京で会食をしたのであった。
今回は、その話しも含めてマジックの情報交換をおこなったのである。
マジックの仲間と云うのは実にありがたいものである。
私もめったに札幌に出ることもなくなったので、こうして列車の待ち時間の一寸の間に会って話しが出来るのはありがたいことだ。