「感じる異変」
昨年5月26日に帯広は最高気温38.8度を記録し日本で一番暑い場所になった(その後最高気温は39.5度のオホーツク管内佐呂間町に抜かれて2位)。
秋には、駅南のとかちプラザの庭をキタキツネが歩いているのを見掛けたが、今年になってわが家の庭を通り抜けるキタキツネを見た。緑ヶ丘公園の近くだから、エゾリスが来ることはよくあることなのだが・・・。
昨年12月1日には帯広市中心部の帯広小学校のグランドにヒグマが現れたというニュース。最初に聞いた時には「帯広小学校?まさかぁ〜! 山の近くにある広野小学校の言い間違いじゃないの?」と思ったのであった。山が近い札幌市は住宅街にクマが頻繁に出没するが十勝平野の真ん中で山が遠い帯広中心部にクマが出没するとは驚いた。
野生動物の出没と言えば、1998年7月23日にエゾシカが平原通りの坂本ビルの前を走り抜け、西1南10のはせ川ビル内に入って捕獲されたニュースを思い出したが、これはかなり昔の話である。
また北海道近海では、サンマ、シシャモ、サケ、スルメイカなどの漁獲量が激減している。今冬の12月〜1月は記録的な少雪であったetc。
92年6月にリオデジャネイロで開催された国連の環境会議の内容を聞いて、帯広青年会議所(JC)は環境問題にも取り組み始め、93年に地球環境問題是正に貢献する「国際環境大学」を十勝に創設することを提言した。96年には「十勝環境ラボラトリー(TKL)」を創設して、九つのプロジェクトを同時に進行、10年間活動したが、受け入れられずに2006年12月末には解散してしまった。もうあれから13年か!
「ゆでガエル理論」というのを聞いたことがあるだろうか?カエルを熱い湯の中に入れるとすぐに飛び出すが、常温の水に入れて少しずつ温度を上げていくと、気付かずにゆで上がって死んでしまうという理論だ。ゆっくり進行する環境変化に対応することの難しさを戒める例え話である(理論といっても、実際には誤りであると言われているが、まことしやかに語られてきたために一つの教訓として定着している)。
人間というものは、自分の身に直接被害を感じるまではなかなか行動を起こさない。しかし、もう誰もが地球の異変を肌で感じているだろう。環境問題でも世界をリードしなければならないアメリカの大統領は「気候変動はうそっぱちだ!」と言ったトランプ氏である。どうも再選されそうな雰囲気であるが、日本はトランプに追随することなく環境問題に力を発揮してもらいたいものだ。