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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2020-03-25-Wednesday 社会の有り様

新型コロナウィルスで世界の有り様が変わる!

去年の今頃から、坂本ビルの地階に「小劇場」を造る計画を推進していたが・・・。

100名規模の階段状客席を持った小劇場で、マジック、演劇、自主映画上映、落語、音楽コンサートなど等に活用する計画であった。

計画を創る際には、今後の世の中の商業の形態を検討し、坂本ビルをどう変化させていくのか考えたのである。

1992(平成4)年に、父が亡くなった際に、物販には見切りをつけて、「サニーデパート」から飲食店ビルに大変身をさせた。

今回の計画では、飲食に加えて、臨場感の有る「エンターテインメント」を付加させようと思ったのであったが・・・。

今年の正月から蔓延し始めた新型コロナウィルス禍に依って、大阪や札幌のライブハウスやライブバーがクラスターとなってしまった。

「換気が悪く」「密集して」「接触する」場所は、感染を拡げる場所と云うイメージが日本中に広がってしまった。

その後、スポーツの大会やコンサート、演劇、講演会や会議なども次々と中止や延期になり、はてはオリンピックまで延期になる始末である。

元々、第三次産業の観光業やサービス業などは、自然災害や疫病などに弱い性質がある。人々の生活が安定しなければ発展しないと云う脆弱な基盤でしかないのだ。

つまり、人々に心や金銭の余裕が無ければ、そもそも遊ばないということなのである。

これまで、地震や台風などの災害は地域が限定されていた。SARSやMARSだってある程度の地域限定の疫病であった。

それが、今回の新型コロナウィルスは全世界に蔓延してしまった。もはや中国、韓国、日本の東南アジアだけの事態ではない。むしろヨーロッパの方が深刻な状態になっている。

ヨーロッパはかつてのペスト禍の記憶があるからなのだろう。深刻さは日本人の比ではない。アメリカも酷いことになっている。

世界中で外出禁止になって、エンターテインメント、スポーツ、飲食、物販に至るほとんどすべての業種が、物凄い痛手を蒙っている。

この外出禁止や自粛が続けば、世界中の商売の仕方が変わるだろう。

今回の新型コロナウィルス禍が無くても、商売のやり方には既に変化の兆しが出ていたが、その浸透にはまだまだ時間が掛かると考えていたのに・・・。それは、ネット販売である。

恐らくは、このコロナウィルス禍で10年分くらいは加速をするのではないだろうか?

最近のスマホの急激な普及によって、そのスピード感は増してはいたのだが・・・。

近年、「ショッピング」に対する、人々の意識には変化が現れていた。このところ「所有」という概念が「共有」にシフトし始めていたのだ。

私は15年ほど前から、ネットで「ヤフー・オークション」を愛用している。最初は「マジック関係書籍」の購入だけだったのだが、段々と、他のモノの購入にも使用するようになってきたのである。

15年もやっていると、ある変化に気が付く様になって来た。

私は「安く」買えた方が良いのであるが、どうも他の人たちの中には、高いモノの方が良いと云う人が現れて来たのである。何故、高いモノを買うの?安く買えた方が良いじゃない?と思っていたのだが・・・。

どうやら「転売」をする人たちは、安物は転売が効かないと経験した様なのである。

「転売」は「所有」する為に買うのではない。すぐ次に売れて、差額を利益にしたいわけだ。

インターネットは日本中(一部は世界中)に買い手が存在する。結局、どこにでもある安物は欲しがる人が少ない。希少品や趣向品で高価なモノの方が買い手が付くらしいのだ。

最近は、AIが勝手に私の好みの商品をアレンジして提案してくる様になった。私の購入してきたモノのデータをAIが分析して「こう云う商品は如何でしょうか?」と表示してくるのだ。私にとっては煩わしいが、中には、これが楽で良いと云う人も居るのであろうなぁ〜。

そのネットオークションに「メルカリ」と云う企業が参入してきた。すごい勢いで業績を伸ばしているが、このネットオークションの特徴は、スマホ中心と云うことである。

私の携帯電話は、ガラケーでスマホではないから「メルカリ」はやっていない。コンピュータで「ヤフオク」をやっているだけだ。

机の上のPCで行う「ヤフオク」と、持ち歩いてどこでも出来る「メルカリ」では購入のスピード感がまるで異なる。そもそも利用方法が異なる。

聞く所によると、例えば「メルカリ」で洋服を購入して1,2回着たならば、すぐにまた「メルカリ」に出品して販売する人が増えているのだと云う。購入した洋服を所持していれば、仕舞って置く場所が必要になるが、1回着てすぐに販売すれば、その場所が不要になると云うのである。

そうなると、もはやネットオークションは「所有」する為に買う場所ではなく、いわば「領有」する場所として利用する場所になる。

個人が購入、販売を繰り返すサイクルが出来れば、ショップは売れなくなるだろうなぁ〜。

だが、ネットショッピングにも「流通」の問題がある。宅配便のドライバー不足や過剰労働の問題や「送料」の問題である。

楽天市場が送料無料を言い出して、加盟店が抵抗するというニュースがあったばっかりである。

便利過ぎる世の中はツマラナイなぁ〜!まだまだ抵抗していたいなぁ〜!

生まれた時から身近に「スマホ」のある世代が、やがて購買層の中心になったならば世の中は大きく変化するのだろうなぁ〜と予想はしていたのではあるが・・・、この新型コロナウィルス禍で、一挙に拍車が掛かってしまうのであろうなぁ〜。私一人で抗うことは難しくなるのであろうが・・・。

「便利は不便」なのであるよ。

商業は仕方がないにしても、でも、エンターテインメントだけは、臨場感を大切にしたライブが復活して欲しいものだなぁ〜。