大学卒業後に東海地方で工業系の仕事に就いていたが、正月休みやお盆休みに帰郷する度にず〜っと口説き続けてきたことで、ようやく地元に帰って家業を継いでくれることになったのである。
いよいよ坂本家4代目の始動である。
私は、大学生時代はプロマジシャン志望であったが、父親の大反対で家業を継がされたので、いわゆる「他人の飯」を喰って給料を貰ったことがない。
息子は、9年間ほどは企業に勤めていたので、その辺は私が継いだ時よりは社会経験が豊富であろうと思う。
これまでにやっていた仕事とは、我が社の仕事はまったくの畑違いではあるのだが、幸いなことに、我が社は医師や会計士や弁護士などと違って国家試験突破の資格を必要としない職業であるからその点は楽ではあろう。
コロナ禍の社会情勢の中での転職ではあるが、逆に考えれば、これから経済がドン底の状況になるであろうから、やり甲斐もあるであろうと思う。
31歳で独身であるから、早く良いお嫁さんをもらって坂本家5代目の顔を見せて欲しいものだ。