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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2021-02-09-Tuesday 贋作?

昨日のニュースで東山魁夷、平山郁夫の版画

の贋作が云々とやっていたが・・・

そもそも、東山魁夷や平山郁夫って画家だろう?

版画家じゃぁないよね!

世の中には、画家の「絵画作品」と同じ構図の「版画作品」を、平山郁夫や東山魁夷ら本人が版画に「摺った」作品と思ってる人が多いようだけど・・・。

その画家の絵画作品が版画になって販売されているのって少し考えたらオカシクないかと、買った人達は思わなかったのだろうかねぇ?

しかもその版画を有名百貨店が販売していたというのだから、絵画に無知な小金持ちを騙した詐欺事件に近いと云うのが真相なのではないだろうか?

日本の絵画業界はそれこそ怪しい世界なのである!

画家本人が描いたオリジナルの絵画作品を基にして、その画家が認可した版画師と刷り師によってオリジナルを忠実に模して版画の「版」が作られるは常識だろう。

その作った「版」を制作枚数を決めて色の調整をして刷り上げて、オリジナルを描いた画家自身が、自分のオリジナル絵画を忠実に再現して刷られているかをチェックをしていって、これならOKだと認可したモノに、一枚一枚直筆でサインして落款などを押した物が版画として販売されるのだ。

画家本人には高額な著作権料が支払われる。

版画作品には画家本人のサインやエディションナンバーなどが入っているから、いわば「画家本人が認可した枚数制限のある偽物」なのである。

販売者と画家との契約では、一応最初は、限定〇〇枚だとかの枚数制限は設けるのだろうけど、そんなものはあって無きが如きものなのだろう。

人気作品で売切れたりしたらすぐに再制作されて売られるだろうから、そうなると同じ構図の作品がこの世の中に沢山存在することになる。

理論的には、版元だと、版画自体は元の「版」から何百枚でも何千枚でも本物と同じ物を刷ることが可能になるのである。

その再制作の際に、画家本人のサインが無かったりエディションナンバーが無かったりなんてのはまだまだ良心的な方なのかもしれない。中には、サインなどを真似て書いたりする悪質なのもいる。

でも、それは、サインなどがないだけで、最初に制作された版画と全く同じモノなのである。

はたしてこれを贋作と呼べるのか?と云うのも、普通、絵画の贋作って言ったら・・・。

絵画作品の贋作を作るのならば、かなり上手い(贋作)画家の手によって1点1点、手描きしなければ作れない。

それでも専門家が見れば絵のタッチや画風などですぐに贋作だと分かるのだが・・・。

絵画作品の贋作は大量に作れないから、贋作画家の技量とコストが合わない。画家が絵の練習をする為に、博物館などに飾ってある有名作品を模写したモノが市場に出回るケースもある。

でも版画ならば、ただ摺るだけだしなぁ〜・・・。そもそも同じモノなんだから専門家でも見分けることは超難しいだろうなぁ〜。

「開運!なんでも鑑定団」を見ていると、その辺の事情が分かる場面に遭遇することがある。

ネットオークション上にはこの手のモノが沢山溢れているが・・・

購入する人がその辺の事情を完全に納得して買う分には何も問題がないだろうが、説明しないで売るのは問題があるだろう。

でも、今回の贋作とされた版画と、本物として売られた版画とは、モノはまったく一緒なんだよね。