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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2021-03-01-Monday 十勝毎日新聞「論壇」

2021.03.01十勝毎日新聞掲載「論壇」掲載記事「的中率100%の予言」

「あなたは必ず死ぬ!」と面と向かって言われたら怒り出す人が大半であろう。だが、これは「絶対的真実」である。この世にオギャーと生まれた者はいつか必ず死ぬ運命にある。つまり早いか遅いかの違いがあっても人間の致死率は100%なのだ。ノストラダムスのような予言者でなくても的中率100%なのである。だが死因にはいろいろある。

長生きできるとは思っていないが、どのような死にざまを迎えるかはがんを患っている身には重要なことなのだ。医者でも学者でもないが、「自分の身は自分で」という意識が働いて、自分なりにデータを基に「死」を客観視するよう努めている。

ここ数年の日本の年間死亡者数は137万人前後で推移している。厚生労働省発表の「2018年人口動態統計」によると、この年の死亡者数は136万2470人、死因の第1位は「がん」で約37万人、以下2位「心疾患」約21万人、3位「老衰」約12万人、4位「脳血管疾患」約11万人、5位「肺炎」約9.5万人、6位「不慮の事故」約4.1万人、7位「誤嚥(ごえん)性肺炎」約3.9万人、8位「自殺」約2万人と続く。

新型コロナで亡くなった方が2月中旬に7000人を超えた。日本で新型コロナによる死亡者が出たのが昨年の2月13日であったから、この数字はほぼ1年間の死亡者数と考えても良いであろう。

一方、2018年にインフルエンザが直接の原因で亡くなった方は3325人、インフルエンザに罹患(りかん)して持病を悪化させて亡くなった関連死を含めると約1万人と言われている。7000人の死亡者数が直接死であるのかはまだ統計が出ていないので不明であるが、単純にインフルエンザの直接死と比較するとおよそ2倍であり、関連死と比較すると7割である。インフルエンザにはワクチンもあるし治療薬もあるので、これを多いと考えるか、少ないと考えるかは、おのおのの主観であろうが、言えることはコロナ禍での人生は味気ないということだ。

一日も早い終息を願っているが、コロナウィルスはインフルエンザと同様に変異種がドンドン現れるであろうから人類との長い付き合いになるであろう。

人間どうせいつかは死ぬのだから「楽しい人生を送りたい」と思うのは人情だ。演劇やコンサートを見に行きたい、旅行に行きたい、おいしいものをおいしく食べたい、他人と交わって楽しく学びたい。コロナ禍でそれらが奪われてもう1年。ワクチン接種も始まったのだし、そろそろ政府もコロナウィルスへの対処法を変えてもよい時期ではないだろうか?