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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2021-06-13-Sunday 蒐集家の宿命

文化は蒐集から始まった!

私は「不思議」に関係するあらゆるジャンルのモノを蒐集している。特に小学6年生11歳から始めた「マジック(手品・奇術・魔術)」に関するモノが中心であるが、マジックの歴史を調べている内に「芸能(猿楽・田楽・神楽)」「風俗」「サーカス」「大道芸」「見世物」「からくり」「寄席」「市場」「縁日」「超常現象」「超能力」「オカルト」「魔術」「妖怪」「UFO」など等の資料も集まってきた。

次第に範囲が果てしなく広がり始めて、芸能関係資料は小屋や劇場などのハードものから、演芸ではストリップやキャバレー等のモノまですごく幅広いコレクションになっている。

これらの書籍関係資料だけでも1万6千冊は下らないし、ビデオ・DVD、絵画やポスター、衣装や小道具やフィギュア等などは3万点ほども貴重なものを所有しているのだが・・・。

妻や3人の子どもたちの誰一人として、これらのコレクションには関心が無い。二女は少し私に似たのかミュージカルや寄席などの観劇等は好きなのだが、コレクションには興味がないようである。

人類の歴史は蒐集の歴史でもある。

世界中に「博物館」が存在している。イギリスの「大英博物館」やアメリカの「スミソニアン博物館」ような世界的規模なものから、私の「マジック・ミュージアム」のような個人的なモノまでレベルには大きな差があるが、国家に限らず、個人もモノを蒐集したがるものらしい。

私が造った「マジック・ミュージアム」は日本では唯一の「MAGIC(不思議)博物館」であるし、世界中を見まわしてみても「マジック専門」の博物館は、恐らく10館も存在しないであろう。

その「マジック・ミュージアム」が今、存続の危機なのである。

それもこれも原因は「コロナ禍」である。

去年(2020年)の正月から現在まで、丸1年半以上もず〜っと休館を続けている。

もともと道楽で始めた趣味の延長であったのだが、道楽なんてモノは余裕があって始めて可能なモノであろう。

その余裕がなくなってしまったのだ。

我が社の入居テナントの飲食店(居酒屋・カラオケ等)が全て昨年秋にコロナ禍で撤退してしまい、ビルはガラガラの状態になったのである。

コロナ禍がこんなに長引くとは予想もしていなかった。

体力的にも気力的にも、余裕がどこかに消え失せてしまい弱気の虫が疼き出す。

マジック・ミュージアムを維持する気力が無くなってしまった。

しかし、せっかく蒐集した貴重な資料を、バラバラに拡散させたくはない・・・。

私は3年前には癌になったし・・・

来年は父が亡くなった年齢の64歳になるし・・・

人間弱気になってくると・・・

蒐集家の宿命ってのは結局「孤独」なのかもしれないなぁ〜。およそ半世紀もの歳月と情熱、家が数軒建つほどの費用を掛けて蒐集し、ミュージアムまで造って一般開放までしたのになぁ〜・・・

家族には理解されずに、今、蒐集したモノがマジックの価値を理解していないリサイクル業者にゴミ同然として処理される危機にある。

せめて、蒐集したモノたちには陽の目を見させてやりたい。ネクストコレクターを探し出して、蒐集した自らの手で引導を渡してやりたい。

誰か、もしくは何処かが、私のコレクションを纏めて引き受けて博物館を運営してくれるところがないであろうか?

もはやこのコロナ禍では自治体も青息吐息でそんな余裕などないのかもしれない。処理の仕方も優先順位を付けて、まずは纏めて全部引き取ってくれるところ、そんな奇特なところが現れなければ、バラバラになっても、所有を切望し、コレクションを愛してくれるところに渡したい。

どなたか心当たりがある読者の方がいたら、ぜひご一報を!