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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2021-07-07-Wednesday 分散と集中

4日の私のブログの

『災害が起こる度に思うことであるが、人は災害の起こる可能性が低い場所に集中して暮らし、人が住むのに適さないような場所は動植物の場所にするような棲み分けをした方が良いのではないだろうか?』

と云う文章に対して、いくつかのメールを頂いた。

都心部に集中して住むことが必要だと考えているが、高層のタワーマンションに暮らそうなどと言っている訳ではない。

その理由のひとつは、人間は縦に高い場所に暮らすのは、生理的に合わないのではないかと思っているからである。それに加えて、ビルのオーナーとして思うのはメンテナンスのことである。

建設直後なら良いのであるが、年月を経ると建物も段々と傷んでくる。

マンションは人工物であるのだから定期的にメンテナンスが必要になる。エレベータや照明、防災関係器具などの電気製品は概ね10〜20年で交換が必要になる。

とくに高層のタワーマンションに設置されているエレベータは、我が社の8層の建物のエレベータに付いているモノとは違って、高速なモノである。高速であればバワーも制御も、より緻密な機械になるからとても高額なのである。

地震や台風などで、壁の補修なんてことになったらば、足場代だけでも大変な金額になるだろうし、果たして安全性の面からも足場が掛けられるものなのだろうか?

これらの費用は、ビルオーナーが全額負担するわけではないであろうが、住民の方々の同意を得られるのかは、住民の数が多いだけにかなり難しいと考えている。

だから、私の選択肢にはビルオーナーとしても住民としてもタワーマンション暮らしは無い。

帯広市は太平洋側の気候であるから、雪は少ないが、それでも北海道であるから2mほどは積もる。一戸建て住宅ならば、家の前の除雪作業をしなければならない。マンションなどの集合住宅に暮らせば、除雪の心配はほとんどなくなるから除雪を考えたら集合住宅に分があるであろう。

オーナーとして集合住宅を建てるならば、エレベータが不要な3階建てまでにする。エレベータの有る無し、コンクリート造りか木造かでイニシャルコストもランニングコストも格段に安くなる。メンテナンス費用もかなりやすく抑えられるからだ。

一戸建てを否定している訳ではない。除雪や庭の手入れなど、体力に問題がなければ一戸建て庭付き住宅が望ましい。

行政の首長的に考えるならば、街をむやみに広げてしまうと、上下水道、ガス、電気などの設置やメンテナンス、道路の舗装、除雪、街路樹の管理などの費用が掛かる。空地だらけでは、無駄が多いし、費用負担も大きい。

これからの人口減少の時代には、空地や空き家を少なくして、人間がギュッとまとまって暮らす必要があると思うのだ。

そんな時に、十勝平野の真ん中の帯広市は、平らで広いから最適な場所ではないかと考えている。

農家も畑の近くに住むのではなく、中心街に暮らして農地に車で通えば良いと思っている。交通手段の無い、子供たちを遠い学校に通わせるよりも、交通手段のある大人が通えば合理的だ。

学校・病院・店舗は人口が集中している方が成り立ちやすいのである。